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『東大王』水上卒業SP前半戦。伊沢vs水上、一歩も譲らないシーソーゲーム

『東大王』twitter公式アカウント(@toudaiou_tbs)より

いよいよ『東大王』から水上颯が卒業する。10連勝もかかった水上ラストマッチは、過去最大全7ステージの大ボリューム。2週にわたる4時間SPのうち、3月11日放送回では3ステージ分がオンエアされた。

『東大王』の同期として戦ってきた鶴崎修功は、「今日ばかりは水上颯が主役」と話す。対する芸能人チームは、伊沢拓司が大将として全ステージに参戦。伊沢は「敵が強くないと主役も輝かない」と全力で戦うことを宣言する。水上最後の一線が幕を開けた。

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「日本アカデミー賞」ランキングの罠

1stステージは「ランキングサバイバル」。1問目は「日本アカデミー賞最優秀作品賞 興行収入ランキング」という難問。単純な歴代邦画興行収入ランキングなら『君の名は。』や『踊る大捜査線 THE MOVIE2』がランクインするのだが、「日本アカデミー賞最優秀作品賞」の受賞作ではないのだ。

芸能人チーム・ノンスタ井上裕介が正解した1位『千と千尋の神隠し』は、歴代ランキングでも1位。だが東大王チーム・紀野紗良が正解した2位『永遠の0』は、歴代ランキングだと20位だ。このギャップに芸能人チームは苦戦し、9位で全滅してしまう。東大王チームは残るランキングも全て開けた。予習の賜物だろうか。

2問目は「令和元年をにぎわせたアスリートランキング」。芸能人チームは8位の難問「『あ』で始まる男性26歳」を、FUJIWARA原西が「朝乃山」で正解するファインプレー。しかし10位「『き』で始まる女性17歳」を山下真司がわからず、「紀野紗良」と解答してしまう。すかさず「クイズに関してはアスリートだけどね!」とMCの山里亮太がフォロー。

結果、10位の「紀平梨花」で芸能人チームが3人連続不正解になり、逆転が不可能となったため、1stステージは東大王チームが勝利。幸先の良い一歩を踏みだす。

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「はるか昔にジャスコが死んだ場所」

2ndステージは「難問オセロ」。ここしばらく先攻後攻のジャンケンで負け続けていた水上が、ようやく勝って有利な「後攻」を選択。1手目から全員で次の手について話し合う。しかし3手目、3番「大芥菜」を読めずジャスコ林が失格に。ここで東大王チームは「大芥菜」にこだわらず、別のマスを開ける戦略を取る。

終盤が近づき、東大王チーム17枚に対し、芸能人チームは6枚。大量リードでも手を緩めず、東大王チームは果敢に角を攻める。鈴木光が32番「十脚(さくらえび)」を、鶴崎修功が6番「想菰(まいたけ)」と、超難読漢字を立て続けに正解。

一方の芸能人チームは、司令塔の宮川一朗太が3番「大芥菜」を伊沢に託す。「はるか昔にジャスコが死んだ場所……」と漏らす山里亮太。だが、伊沢も不正解になり、続くゆきりぬ、アンミカ、山下真司も「大芥菜」に倒れ、残ったのは富永美樹ただ1人。それでも3番の選択を変えず、悩みながら「のざわな」と答えるが……無情にも不正解のブザー。正解は「たかな」だった。

芸能人チームの全滅により、勝者は東大王チーム。東大王チームはオセロでも優位に立っていたが、結果的に序盤で3番「大芥菜」にこだわらなかったことが勝利につながった。ジャスコの死は無駄ではなかったのだ。

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水上vs伊沢のシーソーゲームと「勝負師」岡本沙紀

3rdステージは「全員一斉早押しバトル」。通常回なら伊沢チャンス→ファイナルステージ(早押しバトル)という流れだが、今回は伊沢が全ステージ参戦のため、無条件で伊沢が早押しバトルに登場。全7ステージ中盤でひとつの山場を迎える。

1問目はひらめき問題「文字が表す乗り物は何かお答え下さい」。画像が出た瞬間に鶴崎が押し、残像を元に考えこむ。「車」が右端に5個連なっていたが……鶴崎の答えは「三輪車」で不正解。その瞬間、カタカタカタ!と、水上と伊沢の手元からボタンを連打する音が響く。再開。連打対決を征してランプがついたのは……なんと芸能人チームの馬場典子だった。「はしご車」で1ポイント。

2問目は水上が取り1対1のイーブンに戻す。3問目のニュース映像問題では、伊沢が誤答し水上が正解。4問目の映画サントラ問題では伊沢が、5問目のひらめき問題では水上が正解……と、水上と伊沢のシーソーゲームが続く。

7問目の祭り問題では、候補生の岡本沙紀が「道ばたで泣いている子供」の映像を見ただけで押した。祭りの特徴を表すものは何も映っていない。……にもかかわらず、コールした「広島県」が正解。岡本は「子供を鬼が追いかけまわす祭りはいくつかあって、そのうち複数が広島県にあるから」と言うが、そもそも鬼すら画面にはなかった。勝負をかけたファインプレー!

これで4対3となり、東大王チームはリーチ。8問目は世界遺産問題。衛星写真の地球が回転し、フランス北部を中心に止まったところで水上が“地球押し”。「ステュデニツァ修道院」と答えるも……残念ながら不正解。再開し、上空まで寄ったところで伊沢が押し、「シャルトル大聖堂」で正解する。3問目の伊沢誤答→水上正解を逆転した形だ。伊沢vs水上の最後の戦いは、どちらも譲らない。

4体4となった9問目。勝者を決める最終問題は「絵画の作品名をお答え下さい」。一部分のみ映した映像が出た瞬間、伊沢のランプがついた。勝負をかけ、押してから考える作戦。想定外の絵に戸惑う様子を見せつつ、解答時はしっかりカメラを見つめ「ラ・プリマヴェーラ」と答えるが、これは不正解。再開し、カメラが少し引いたところで鈴木光が押す。「リンゴとオレンジのある静物」。これも違う。

再びVTRがスタートしたところで、岡本のランプがついた。正解なら勝利、不正解なら相手に解答権が渡ってしまう。岡本の解答は「果物籠のある静物」。静まりかえるスタジオ。静寂を破ったのは……正解音! パッと笑顔になる岡本。鈴木光が答えた「リンゴとオレンジのある静物」の作者、コルネリス・ド・ヘームの代表作を答えてみて「それで不正解なら芸能人チームも答えられないだろう」と踏んでの解答だった。7問目の祭り問題もそうだったが、解答を確信してから押すのではなく、知識を裏付けにした勝負に出て正解している。もうすっかり勝負師だ。

これで東大王チームは全7テージ中3ステージで勝利。結末は次週3月18日の3時間スペシャルまで持ち越しだ。予告映像には、水上の卒業に涙を流す東大王チームメンバーと、水上vs伊沢の直接対決、そしてなぜか水上vs鈴木光の直接対決が……? 番組史上最大の大一番、気になります。

『東大王』(2020年3月11日放送)
司会:ヒロミ、山里亮太
解説:伊沢拓司
東大王チーム:水上颯、鶴崎修功、鈴木光、林輝幸、砂川信哉、紀野紗良、岡本沙紀、伊藤七海
芸能人チーム:伊沢拓司、アンミカ、井上裕介(NON STYLE)、富永美樹、八田亜矢子、馬場典子、原西孝幸(FUJIWARA)、藤本敏史(FUJIWARA)、宮川一朗太、山下真司、ゆきりぬ、篠原梨菜

【ライタープロフィール】

井上マサキ
路線図マニアでテレビっ子のライター。『99人の壁』でグランドスラム達成(ジャンル「路線図」)。著書に『たのしい路線図』。宮城県出身。二児の父。

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