Subscribe / Share

Toggle

column

目指すは高校生トップ!白熱の『第4回ニュース・博識甲子園』レポート(後編)

8月29日にオンラインで開催され、ネットで生配信された『第4回ニュース・博識甲子園』の全国大会。出場した8校のうち、1回戦を勝ち抜いたのは開成高等学校(東京都)、東大寺学園高等学校(奈良県)、名古屋大学教育学部附属高等学校(愛知県)、栄東高校(埼玉県)の4校。ここからさらに準決勝で2校に絞られ、決勝で日本一の高校が決まる……!

関連記事:クイズに賭けた青春!『第1回ニュース・博識甲子園』レポート(PART5)

準決勝「勝ち抜きボードクイズ」最後まで横一線の熱闘!

準決勝は4チームで戦う「勝ち抜きボードクイズ」。12人全員に対しボードクイズが出題され、それぞれ個人が解答。5問正解した者から勝ち抜けとなり、最終的にチーム全員が勝ち抜けば勝利だ。決勝に進めるのは上位2校。問題数は20問のみ。同点の場合はサドンデスとなる。

チーム対抗戦でありながら、個の強さも求められるこのルール。それぞれが別々の場所からオンラインで参加しているため、チーム内で励まし合うのは難しく、相手チームが次々勝ち抜けても平常心を保てるかが鍵となる。

序盤戦で頭一つ抜けたのは栄東だった。1問目「先月イギリスのオークションで日本円で13億円で落札された、クマの頭のデッサンは誰によって描かれたもの?」では、3人全員が「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を正解。その後、「昨年発足した、新型コロナウイルスワクチンを共同購入し、途上国などに分配する国際的な枠組みを指す言葉は?(COVAX)」「自分の頭を外すキャラクター『コントロールベア』でお馴染みの、日本のファッションブランドは?(グラニフ)」では、栄東の國雲くんが単独正解を決める大活躍。

開成も負けてはいない。6問目「道成寺にまつわる安珍・清姫伝説の舞台としても有名な、和歌山県を流れる日本一長い二級河川は何でしょう?」では、他チームが苦戦するなか「日高川」を3人全員が正解。実力者がポイントを重ね、7問目で開成の西頭くんと、栄東の國雲くんが同時に一抜けする。

9問目で名大附属の松本さん、栄東の佐々木くんが勝ち抜け。東大寺学園は出遅れた形になったが、10問目の「レーンモントフ」、11問目の「書肺」で連続3人正解を達成し、松崎くんと八木くんが勝ち抜ける。全チームが順調に勝ち抜ける中、13問目「絵本でお馴染みのキャラクター、バーバパパの体の色は何色?」で開成が2人同時に5ポイントに到達するミラクルで、決勝進出が決定!

この時点で、残り3チームは1人ずつ残っていた。ポイントは東大寺の津田くんが3P、名大附属の佐藤くんが4P、栄東の稲葉くんが3P。名大附属の佐藤くんは6問目まで0Pだったのに、ジワジワとリーチまでやってきた。14問目「立った状態から腕立て伏せのような姿勢になり、再び立つという動作を繰り返す筋力トレーニングをなんという?」では、その佐藤くんだけが「バービー」と答え、MCの日高大介も勝利を確信したが……なんと正解は「バーピー」。勝利はおあずけに。

続く15問目、16問目も全員不正解。17問目「別名をローゼンタール効果ともいう、教師が期待することによって学習者の成績が向上する効果を、古代ギリシャの王の名前を取って何効果という?」では、東大寺の津田くんと栄東の稲葉くんの2人が「ピグマリオン効果」で正解。これで、全員が4ポイントで並んだ……!

ヒリヒリする展開のまま18問目。「陸上の100m走で9秒台の記録を持つ日本人選手は、山縣亮太、サニブラウン・ハキーム、桐生祥秀と誰でしょう」。正解の「小池祐貴」を答えたのは……名大附属の佐藤くんだけ! 優勝したかのようなガッツポーズで喜びを爆発させる佐藤くんに、スタッフルームからも「スゲぇ~!」という声が漏れる。大逆転で名大附属が決勝進出決定!

栄東と東大寺学園はここで敗退。「時事問題をちゃんと共有しておけば……」と悔しがったり、「洲崎綾さんにリモートで会えたのでよかった!」とポジティブに捉えたり、さまざまな顔を見せる高校生たち。1時間近くの激闘、おつかれさまでした……!


関連記事:クイズに賭けた青春!『第1回ニュース・博識甲子園』レポート(PART3)

決勝戦「一問一答ラリークイズ」両者とも譲らない幕開け

いよいよ向かえた決勝戦。1次予選ウェブ試験の結果だけ見れば、開成高校1位、名大附属29位と番狂わせが起きたように見える。ただ、2次予選で最高得点をマークしたのは名大附属のほう。ここまで残った2校、どちらも優勝は「ある」。

決勝戦で行われるのは「一問一答ラリークイズ」。各チーム1人ずつ、交互に一問一答問題を出題。1問正解1ポイントで、3ポイント先取すれば「1本」獲得。先に3本を取ったチームが優勝だ。

必ずしもチーム全員がポイントを取る必要はなく、大将が3回正解しても1セット獲得となる。ただ、相手より先に3ポイントを稼ぐには、全員の力を合わせるのが近道。全国大会が始まってからここまで3時間強、なんとか最後まで気力体力も持たせたいところ。

1セット目は開成の大将・西頭くんからスタート。「タレント時代には『クイズの女王』とも呼ばれた、現在参議院議長を務める政治家は?」に「山東昭子」を答え、幸先良く1ポイント獲得。その後、名大附属の大将→開成の副将→名大附属の副将→……と交互に順番が回るが、正解に結びつかない。5問目で開成の先鋒・大谷くんが「ヨギボー」を正解し、開成2ポイント。さらに7問目で再び順番が回ってきた開成の西頭くんが、「ペトルーシュカ」で決める。大将が2問正解する活躍で、まずは開成が1本を取る。

2セット目は名大附属の大将・中島くんから。出題は「新型コロナウイルスのワクチンでも行われる、原液に水や溶媒を加えて濃度を下げることを漢字2文字で何という?」。一見難しく聞こえるが、答はシンプルに「希釈」。中島くんはきちんと抑え、名大附属が決勝初ポイント。このあとしばらく不正解が続き、2週目になり再び中島くんが「パークアンドライド」を正解し2ポイント。1セット目と似たような展開が、今度は名大附属で起きている。

2セット目の最後を決めたのは名大附属の松本さんだった。「ブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだ、今年日本で中奥を集めているローマの伝統菓子は何でしょう?」に、ニッコリと「マリトッツォ」をコールし正解。名大附属が1本を返す。


関連記事:クイズに賭けた青春!『第1回ニュース・博識甲子園』レポート(PART4)

3人連続正解、先鋒の大活躍……シーソーゲームは続く

3セット目は開成の先鋒・大谷くんから。「カナダにある、世界最大の無人島はなんでしょう」に「デヴォン島」を絞り出して正解。開成が1ポイント先制するが、後がなかなか続かない。一方、名大附属は佐藤くんが「山崎玲奈」、中島くんが「蒙古襲来絵詞」、そして松本さんが「チンダル現象」と3人連続正解し、あっという間に名大附属が2本目を獲得。優勝に王手をかける!

あとが無くなった開成。4セット目も先鋒の大谷くんからスタートし、「ブランテージ」で再び先制。だが今度は味方がついてきた。開成の大将・西頭くんに出題されたのは「タイトルの食品がひたすら溶けていくアニメを用いた1時間の予告映像も話題になった、今年5月に発売されたBTSの新曲は何でしょう?」。落ち着いて「Butter」を正解し2ポイント目。誤答が続き「他の人に出された問題は分かるのに……」と引きの弱さを嘆いた西頭くんに、ようやく笑顔が戻る。

順番は一巡し、再び大谷くん。「栃木市の山元総本店が販売する銘菓の名前にもなっている、少年・相川吾一の成長を描いた山本有三の小説は何でしょう?」という出題に、うなづきながら仲間に向けて静かにガッツポーズ。コールした「路傍の石」は見事正解で、開成は2本目を奪取。勝負は最終セットに……!

関連記事:クイズに賭けた青春!『第1回ニュース・博識甲子園』レポート(PART2)

最終セットの最後の最後、紙一重の勝負を制したのは……

ここまで消費した問題は29問。1セットあたり7問ほどしか消費しておらず、正解率の高さに両チームの強さがうかがえる。いよいよ勝負は最終セット、ここを取ったチームの優勝だ。

最終5セット目は名大附属の先鋒・佐藤くんから。「赤と緑の瞳を持つフクロウ『オーリー』をマスコットとしてる、世界最大級の旅行口コミサイトは何でしょう?」に、考えこむが答えが出てこない。正解の「トリップアドバイザー」に「あぁ……」と目をこする。

続く開成の大将・西頭くんが「鳩山一郎」で正解すると、名大附属の大将・中島くんが「くすぐり」でポイントを返す。続いて開成の副将・多田くんが「競馬で、シーズン最多勝を挙げた騎手のことを英語でなんという?」に「リーディングジョッキー」で正解し、開成が2ポイントで優勝にリーチ。

追い詰められた名大附属だが、ポイントは取っておきたい。次は先鋒の松本さん。「先月、『北海道・北東北の城門遺跡群』として世界遺産に登録された、復元された大型掘立柱建物が有名な青森市の遺跡は何でしょう?」に、か細い声でコールした「三内丸山遺跡」は正解! 決勝戦の最後の最後、2本2ポイントで両チームが並ぶ大激戦……!

プレッシャーのかかる場面で順番が回ってきたのは、ここまで活躍してきた開成の先鋒・大谷くん。ただ祈るしかない名大附属の3人。出題は35問目「スーパーで売られている刺身の下に敷かれている、いわゆる『ドリップ式吸水シート』の商品名は何でしょう?」。このとき大谷くんは「刺身の下」で確信したという。静かに微笑み、左の拳を握った。ラストコールは「ドラキュラマット」。この瞬間、開成高校の初優勝が決定!

「絶対答えてくれると確信していた」(西頭くん)、「最後は2人に助けられた。優勝できてよかった」(多田くん)と、喜びを分かち合う開成高校の3人。名大附属は「「惜しかったけど満足感が上回った」(松本さん)、「やっていて楽しかった」(中島くん)と、充実した戦いを振り返る。名大附属は全員が2年生、「絶対戻ってくるんで!」(佐藤くん)とリベンジを誓った。

以上で『第4回ニュース・博識甲子園』は終了。149チーム452名の高校生の頂点に立ったのは、開成高校でした。前回同様オンライン大会なので、今年も優勝トロフィーと賞状は消毒のうえ別途郵送。第5回こそ再び会場に集まれますように……!

「ニュース・博識甲子園」公式サイト
https://quiz.or.jp/taikai/koushien/

【ライタープロフィール】井上マサキ
路線図マニアでテレビっ子のライター。『99人の壁』でグランドスラム達成(ジャンル「路線図」)。著書に『たのしい路線図』。宮城県出身。二児の父。
Return Top