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『高校生クイズ2021』謎のカウンター、砂に埋もれるトロフィー…「ソウゾウ脳」で突破せよ!


2021年9月10日、日本テレビ系列で『第41回全国高等学校クイズ選手権大会(高校生クイズ2021)』が放送された。今回のテーマは「ソウゾウ脳」。地頭力が問われたここ数年の流れを汲み、「想像力」と「創造力」が問われるクイズが出題される。第5代総合司会となった安村直樹アナの「トトトト、トラ~イ!」のコールと共に、予選を勝ち抜いた50校の戦いが始まった。

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「日本人に一番多い誕生日は?」ソウゾウ力を問う問題が続々

全国大会1回戦は、東京進出をかけたボードクイズ。地区予選を勝ち抜いた高校生たちは、自宅からリモートで参加。「1問でも間違えたら脱落」というサドンデスルールで、50校のうち15校が東京決戦に進むことができる。

第1問は「1996年以降に生まれた日本人のうち、一番多い誕生日は?」という超難問。高校生たちの答えは「4月2日(新年度の区切りに調整する)」「2月28日(2月29日生まれは28日にずらす)」と、さまざま。正解はなんと「12月25日」。年末年始に出産するには大変&クリスマスという特別感から、出産をこの日に調整する傾向があるのだとか(2月29日生まれが28日にズラすことはあるが、4年に1度なので総数は少ない)。正解できたのは、わずか3校だけ!

残り12枠の争いは続く。その後も「日本地図で赤く色づけされた場所はどんなところ?(富士山が見える場所)」、「かき氷のカップが波形の理由は?(食べるとき回らないように)」、「クックパッドでシチューやカルボナーラの検索頻度が急増するのは何月何日?(バレンタインデー)」といった問題が続く。答えを知らなくても、知識と推理、そして想像力があれば解ける問題ばかり。解説も納得感があり、テレビの前でも楽しめる内容となっていた。

こうして2回戦に進む15校が決定し、東京のスタジオに集結。2回戦は「Sort The Red Ball」。大小100個ずつ混ぜられたボールを、「大」「小」の箱に仕分ける速さと正確さを競う。6校が脱落だ。

段ボールや一斗缶など、黄色のゾーン上にあるものはなんでも使っていい。最初の5分間のシンキングタイムがあるのだが、方針が固まらず見切り発車でスタートしてしまう高校生が続出。効率的な方法を模索して時間をロスしたチームより、3人が目視で仕分けたチームが結局速かったりして、なかなか悩ましい。

もちろんエレガントな方法を模索したチームには「ナイスアイデア賞」が与えられ、2回戦通過となる。このステージ、「黄色のゾーン上にあるものはなんでも使っていい」がポイント。仕分け用の箱や、ボールが入っているカゴは動かすことができ、カゴに付いているパイプもアイテムとして使うことができるのだ。

ナイスアイデア賞で通過したのは、パイプ2本をV字に設置し、ボールを転がして落ちる場所から仕分けた宇都宮(栃木)。そして、ノープランもままカゴをひっくり返してボールを大放出するも、諦めずに試行錯誤続けた水戸第一(茨城)。これにタイムレース上位7校を加えた、9校が3回戦に進出した。

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「謎のカウンター」に悪戦苦闘!観察力と推理力とチームワーク

3回戦は「謎のカウンターを100にしろ」。舞台となるのはリビングとキッチンを模したセット。部屋の上部には「ある法則」で数字が増えるカウンターが設置されている。法則を見抜き、カウンターを100にするまでのタイムを競うステージだ。制限時間は10分しかない。スタジオの伊沢拓司は「試行回数を増やすのが重要」と話す。

このステージは、3校1チームの協力戦。代表者3名が部屋に入り、残りのメンバーは別室で指示をする。最初の1分間はカウンターが表示されないので、どんな行動をしたか覚えているのが鍵だ。

最初に挑戦したのは宇都宮・私立武蔵・佐賀西。1分後にカウンターに表示された数字は「10」。2人が同時に赤いものを触った途端カウンターが増えたが、もう1回試してみるも増えない。諦めてウロウロしていると、何も触らなくてもカウンターが増えた。触ることは関係ない……? と悩みつつ、タイムオーバーに。

続く西大和学園・鳥取城北・済々黌チームは、1分後のカウンターが「6」。いろいろ動きを試したくなるので、「何も触らなくてもカウンターが増える」ことになかなか気づかない。開始5分が過ぎ、3人が一旦動きを止めたときにカウンターが増えた。そこに西大和学園が「部屋の中で自動で動いているものはない?」と閃いた。時計、、扇風機、加湿器……そして水槽を動かしたときにカウンターが増えた!

水槽の後ろには鏡があり、水草のシールが貼ってある。この部屋に仕掛けられていたのは「水槽の中の金魚が水草を横切るとカウンターが増える」というものだった。最後の水戸第一・木更津総合・広島大附属もこの秘密に気がつき、カウンターを100にすることに成功。2チーム6校が準決勝に駒を進める。

準決勝は6校で戦う全10問のボードクイズ。決勝に進むのは上位3校。さっきまで仲間だったのにライバルになってしまったが、高校生たちは「チームだった3校で決勝に進みたい」と意気込む。

1問目はGoogleトレンドのグラフから出題。グラフは、2020年6月からの1年間に「ある2つの英単語が組み合わされて検索された検索数」を示している。その「2つの英単語」を当てるもの。グラフが7月と10月にピークを迎えているのがヒントだ。「Lock Down」「Demon Slayer(鬼滅の刃)」など解答が出そろったが……正解は「Go To」。そう、グラフのピークはGoToトラベルとGoToEatが始まったときだったのだ。木更津総合が単独正解し、まずはリード。

その後「日本の動物園で最も多く飼育している動物は?」に2校が「スポンサーがライオンだから」とライオンを答える一コマも挟みつつ(正解はモルモット)、日本地図を使った問題が続く。色分けした都道府県が何に基づいて色分けしているかを問うもので、その内容は「Uber EATSが対応しているか否か」というトレンドに関するもの、「節分で落花生をまくか大豆をまくか」という風習に関するもの、「東京駅から電車で乗り換えなしにいけるか否か」という鉄道知識までさまざま。

残り2問で頭1つ抜けたのは、西大和学園だった。出題はグラフ問題。2021年7月28日における東京都の「あるもの」の量を表したものグラフから、何のグラフかを当てるもの。横軸は20時30分から15分刻み、縦軸は12400~14000という数字。グラフは全体的に右下がりだが、21時15分からの15分間に一度ピークを迎えている。

ヒントになるのは「2020年7月28日」と「15分間」。この日は東京オリンピックのサッカー男子「日本vsフランス」戦。21時15分からの15分間はハーフタイム。つまり、この時間にトイレに行った人が多かったのだ。正解は「水道使用料」。西大和学園が単独正解し、一足早く決勝進出が決定する。

第10問のグラフ問題では水戸第一が単独正解し、決勝進出が決定。木更津総合・鳥取城北・済々黌が同点で並び、最後の1校は早押しサドンデスで決める。出題は「3つの場所の共通点は?」。星印が東京都、和歌山県、兵庫県についているが……木更津総合の「天文台」は不正解。済々黌が答えた「パンダ」は……正解!(日本でパンダがいるのは上野動物園、アドベンチャーランド、王子動物園のみ)。済々黌が最後の1枠をもぎ取った。

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「4トンの砂からトロフィーを抜け」1時間に及ぶ試行錯誤の結末

決勝は西大和学園(奈良)、水戸第一(茨城)、済々黌(熊本)の3校。西大和学園の柴田くんはかつて高校生クイズに出たお父さん(2回戦敗退)からアドバイスを受け、水戸第一の會澤くんは「日向坂46に褒められたい」と願い、済々黌の内古関くんは本日3度目となる得意の豚の鳴きマネを披露。個性あふれるメンバーだけに、全員マスク姿なのがさみしい。

決勝戦で行われるのは「Take The Giant Trophy Out Of The Sand」。4トンの砂に埋まった優勝トロフィーを、一番最初に抜き出したチームが優勝というシンプルなルール。ただ、トロフィーは高さ2メートル・重さ25kgあり、砂の摩擦もあって人の力だけでは全く動かない。砂をかき出す単純作業ではなく、与えられたアイテムを組み合わせて引き抜くことが求められる。

与えられたアイテムは角材、風船、ポリ袋、掃除機など9種類。ハンドミキサーで砂を書き出そうとする水戸第一、角材と塩ビパイプで“てこ”を作る済々黌、ゴムタイヤとロープで引っ張りだそうとする西大和学園と、三者三様の工夫を見せるが、トロフィーはびくともしない。3チームともパワーのある掃除機に着目するが、砂を吸い込むのにも限界がある。

この掃除機を「吸い込むもの」ではなく「吹き出すもの」と気づいたのが、西大和学園の島本さん。3回戦で「自動で動くもの」にいち早く気づいたのも島本さんだった。開始から1時間後、掃除機をポリ袋に包んで下部に穴をあけ、空気を吹き出してみる。チームメイトも「こんなんでどうにかなる?」と半信半疑だが、やってみると勢いよく砂を吹き飛ばした!

手応えを得た西大和学園は、ポリ袋の先に塩ビパイプも組み合わせてみる。済々黌も掃除機の排出口に気づいた。両校が同じアイデアにたどり着いたなか、先行したのは西大和学園。掃除機のスイッチオンと共に、塩ビパイプの先から砂が噴水のように吹き出す。塩ビパイプを埋めることで、砂の深いところまで空気を送り込めるのだ。

お互いの様子が見えないなか、済々黌も必死に空気を送り込む。すると、西大和学園のトロフィーがグラグラと動き始めた! 砂の中に空気を送り込むことにより、砂が液体のように動く「流動床」という現象が起きたのだ。3人が力を合わせてトロフィーを引っこ抜く。その瞬間、西大和学園の優勝が決まった! 後ろで動いたままの掃除機が、祝福とばかりに砂を吹き出し続けていた。

これまでの傾向が通用しないクイズ、粘り強い姿勢が試される試練、その場で与えられた難問にいち早く対応するには、頭の回転の速さや柔軟さも必要だろう。「考えればわかる」をさらに追求した今回の「ソウゾウ脳」は良問揃いで、見ているこちらもワクワクしながら高校生たちの熱戦を見守れた。

引き抜いたトロフィーとともに優勝セレモニーに出席した西大和学園の3人に、もう一度大きな拍手を。


【概要】
「第41回全国高等学校クイズ選手権大会(高校生クイズ2021)」(日本テレビ系列)
総合司会:安村直樹
メインパーソナリティ:かまいたち
スペシャルパーソナリティ:伊沢拓司
メインサポーター:日向坂46
応援サポーター:四千頭身

番組公式サイト
https://www.ntv.co.jp/quiz/

【ライタープロフィール】井上マサキ
路線図マニアでテレビっ子のライター。『99人の壁』でグランドスラム達成(ジャンル「路線図」)。著書に『たのしい路線図』。宮城県出身。二児の父。
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