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INTERVIEW

舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』の稽古場を取材! 西井幸人、鈴木絢音ほかメインキャスト&脚本・演出インタビュー

2018年5月4日(金)より全労済ホール/スペース・ゼロにて上演が始まる舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』。

先日新たに上月由貴役・加藤里保菜の出演が発表されたほか、一部の公演では、東大生クイズ王・伊沢拓司や、TVアニメ『ナナマル サンバツ』で主人公の越山識を演じた堀江瞬らがゲスト出演するアフタートークの開催も決定。公演も迫った4月某日、その稽古場を取材した。

「競技クイズ」の舞台化にあたってさまざまなギミックが取り入れられる中、特に注目したいのはラストシーンでの「脚本無視のガチクイズ対決」だ。各キャストがそれぞれのキャラクターを演じながら筋書きのないガチクイズバトルに挑むというこの驚きの演出プランは、何度見ても楽しめること間違いなし。

今回の取材日はそのラストシーンの稽古も行われており、展開の読めない白熱のクイズバトルからはキャスト陣の熱気が感じられ、ステージへの期待がより一層高まった。

QUIZ JAPANでは、脚本・演出の大歳倫弘(ヨーロッパ企画)、そして西井幸人(越山識役)、鈴木絢音(深見真理役)、小澤亮太(笹島学人役)、中村嘉惟人(御来屋千智役)、吉田尚記(新名匠役)の6名にインタビュー。それぞれがこの舞台にかける思いを聞いた。

――『ナナマル サンバツ』舞台化のお話を聞いたときの感想を教えていただけますか?
大歳倫弘(脚本・演出) 僕はもともとクイズが好きで、『高校生クイズ』に3年間出場していたんですよ。ヨーロッパ企画には僕のほかにもクイズが大好きな演出家がいて、劇団内のクイズ熱も高かったので、このお話をいただいたときは「好きなことは巡り巡って来るんだ!」と思って驚きましたね。
――キャストの皆さんは、出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
西井幸人(越山識役) 僕ははじめ、「(出演が)決まるかも」みたいな感じで、半信半疑だったんですよ。キービジュアルの撮影日程が送られてきたときに、ようやく「あ、本当に決まったんだ」という実感がありました。識は自分とは真逆のタイプなので、最初は「大丈夫かな」という気持ちがあったんですが、自分自身のことって、意外と自分ではわからないじゃないですか。タイプが逆だからこそ、「こういう子なのかな」っていうイメージを想像しやすいです。
鈴木絢音(深見真理役) 私は、実はキャストの情報が公開される数時間前に「出演が決まったよ」という連絡を受けたんです(笑)。もともとアニメは見ていたので「めっちゃ嬉しい! やったー!」と思うのと同時に、真理ちゃんって演じるのがとても難しい役なんじゃないかなと、原作を読んで感じました。
小澤亮太(笹島学人役) 僕はヨーロッパ企画さんの舞台ということで、「ぜひやりたい!」という気持ちがまずありました。僕、一緒にやるメンバーがすごく気になるんですが、西井くんも映画『告白』に出ているのを見たことがありましたし、「面白そうだな」と思いましたね。
中村嘉惟人(御来屋千智役) 僕はマネージャーさんから聞いてすぐに原作を買ったのですが、その段階ではどの役か知らされていなかったんですよ。これまで御来屋みたいなクールでかっこいい役をやったことがなかったので、まさか御来屋役だとは思わず……。「御来屋かっこいいなぁ。(苑原)明良役だったらこういうふうに演じよう。佐々木(一)役だったらこういうボタンの押し方だな」と考えながら読んでいました。役を聞いたときには本当にびっくりして、「御来屋ってどんなやつかな?」って意識しながら読み直したのが印象的ですし、新しい扉を開けられるのはすごく楽しみでしたね。

――吉田さんは今回が初舞台になりますね。
吉田尚記(新名匠役) まず、「吉田尚記が舞台に出ている」って何かがおかしいんですけど(笑)。
一同 (笑)
吉田 今回のプロデューサーさんと別の仕事でご一緒したことがあったんですが、突然「会いましょう」とご連絡をいただいて、そこで「舞台に出てみる?」と言われたのがきっかけでした。『ナナサン』ってとても思い入れのある大好きな作品なんです。どうしてもやりたかったので仕事をめっちゃ調整しました。
――吉田さんから見て、『ナナマル サンバツ』はどんな作品でしょうか?
吉田 『高校生クイズ』の全国大会に出て、大学時代からクイズサークルに参加して、大会で司会をすることもあって……というクイズガチ勢として、1巻が発売されたときからずっと褒めている作品です。「ベタ問」みたいなクイズ用語がちゃんと解説されたのって『ナナマル サンバツ』が初めてだと思うんですよ。どこのクイズ現場に行っても「杉基先生めっちゃ取材に来てます」って聞きますし、ハウツー本としてもすごくよくできた作品だと思います。

――稽古が始まってみて、いかがでしょうか?
小澤 この舞台は、目指しているレベルがとても高いんです。今日は「(台本が)あと10ページだ」って思ったのに、そこからがとても長く感じました(笑)。舌が減りそうです。
大歳 4割近くが笹島くんのセリフで……。
吉田 「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」とか、ガチの人しか言ったことのない単語も覚えてます。
中村 クイズを知っている人だからこそ知っているポイントをちゃんと意識していかないと、『ナナサン』の良さも競技クイズの良さも伝わらないと思うので、そういうところはしっかり意識していきたいですよね。
小澤 この作品は「登場キャラクターがみんな好きなことに情熱をかけている」ことがベースにあるので、それを忘れずにやっていきたいです。
――先ほど稽古を拝見しましたが、ラストシーンで本当にクイズの勝負を始めるところがあるんですよね。役を超えた対決はすごく斬新だなと思います。
吉田 例えば「野球」をテーマにした舞台を作ろうと思っても、ステージ上で野球はできないじゃないですか。「クイズ」なら、その場で本物のクイズ大会ができるんですよ。
大歳 そうなんですよね。だからこれは絶対に取り入れたほうがいいなと思っていました。「越山くんがこんな問題を解くんだ」「あの二人が戦うんだ」というような、漫画にはない展開が生まれるのも面白い。ラストシーンに設定することで、そこまでに描いてきた「どうしてこのタイミングでボタンを押すのか」みたいなことをわかったうえで見られますし、クイズの見方がわかる舞台になればな、というのも目標です。
――皆さんはそのためにクイズの勉強もされているんですよね?
吉田 鈴木さんとか、異様に強くなってるんですよ。あまり感情を表に出すタイプではないんですけど、答えられないときにすごく悔しがるので、負けず嫌いだなと。
――先日の稽古前のクイズ大会では鈴木さんが初優勝されたそうですね。
鈴木 そうなんですよー!
大歳 鈴木さんと土佐(和成/芦屋洋介役)さんの決勝で、二人ともリーチになったんですよね。
鈴木 予選を突破したのもあのときが初めてで、「これはもう勝つしかない!」と思ったんです。最後の最後で知っている問題が出たので「問題を引き寄せたな」って思いました。

――実際の競技クイズは観に行かれましたか?
中村 僕は競技クイズの迫力を肌で感じたくて、例会に参加させてもらいました。僕は初心者なのに、皆さんの視線がすごくて、そんなにガチで戦ってくるんだと思いました(笑)。やっぱり勝負となるとみんな熱くなるんですね。でもすごい面白くて、完全にクイズにハマりました。
吉田 嘉惟人くん、あの例会で3本も答えているんですよ。本当にすごいですよ。何を答えたか覚えてる?
中村 三つとも覚えてます。「暗殺教室」「チェルシー」「フシギダネ」ですね。
一同 (笑)
中村 全部得意ジャンルでした。
西井 僕も大歳さんと一緒に『abc』を観に行ったのですが、熱気がすごくて。僕の中では回答者に声援を送るというイメージがなかったので、ギャップがありましたね。
大歳 「スポーツを観に来たのかなぁ」という感覚ですよね。
西井 答えのわかる問題が出たときにはすごくボタンを押したい気持ちになって、そういうのも楽しかったですね。
――印象に残っているクイズ問題はありますか?
中村 僕は「ジョージ・マロリー」が印象に残っていますね。「(なぜ山に登るのか?)そこに山があるから」という言葉は知っていたんですが、誰の発言かは知らなかったんです。行かせてもらった例会でもこの問題が出て、みんな「なぜや/……」でバババッと押したから、本当にここで押すんだと思って。そういうのを舞台でしっかり描けるのは、クイズマニア的にも面白いかなと思います。
西井 普段意識しないで感じてたりとか、ふれているもの名前や正式名称が出てきたりすると勉強になります。さっき問題集を見ていて、夏の強い日差しを浴びて草の茂みがムッとした空気を発する「草いきれ」というのがありました。今まで何でもない現象だと思っていたものにも名前がついてるんだなぁと。
小澤 僕は稽古のクイズ大会で初めて答えられた「こけら落とし」ですかね。嬉しかったんですよね。意外とみんな知らないんだなと思ってびっくりしました。
吉田 鈴木さんは「エクレア」?
鈴木 稽古のたびに「ウクレレ」と間違えちゃって……。
小澤 今日もちょっと悩んでたよね。そういうのを見られると楽しいです。
鈴木 ホントにそこは気をつけなきゃと思ってるんですけど、どうにもならないときは小澤さんに助けていただくっていうお約束なので(笑)。
中村 そのヒヤヒヤ感も楽しみかもしれないですね(笑)。
小澤 もう一度答えをどうぞ。
鈴木 エクレア(笑)。


――ちなみに、「ボタンの押し方」という点では、何か意識して演じられているのでしょうか?
中村 僕は、原作とボタンの押し方を変えています。原作だと人差し指でポンって押すだけなんですけど、舞台なので動きを大きめに。そこでいかに御来屋っぽさを残すか、試行錯誤しながらやっていますね。
西井 僕もスピード感は意識していますね。ただ、勢い余って早押し機を飛ばしてしまわないように気をつけています(笑)。
大歳 早押し機、実は高畠機を舞台用に特注で作っていただいています。
西井 初めて「押し込み」をやってみたとき、すぐカチっと沈んでいってしまったんですよ。もう少し「バネが入っている感覚」があるのかなーと思っていたので、本当に精密だなぁと感じました。
――真理の髪を耳にかける仕草もポイントでしょうか。
鈴木 漫画だと、真理ちゃんは髪を耳にかけた瞬間に目の色が変わって、クイズに向かう目になるんですよ。目の色を変えることはできないので、この仕草で何かお客さんに伝えられたらいいなと思っていろんなかけ方を試しているのですが、なかなか難しいです……。

――ご自身の演じられている役でお気に入りのシーンなどがあればぜひ教えてください。
鈴木 私、真理ちゃんとお兄ちゃん(深見誠司)が戦うシーンが原作で一番好きだったんですよ。舞台でそのシーンを演じられるのが嬉しいです。大切なシーンなので大事に演じようと思いつつ、お兄ちゃんがずっと正解し続けてるのが本当に悔しくて……(笑)。いつも「私も答えたい!」って思いながらやっています。
西井 真理のお兄ちゃんに文蔵高校チームのみんなが思いを告げるシーンも熱いですね。識を演じている僕自身が、西井幸人としても熱くなってしまいます。
小澤 クイズをする場面以外にもいろんなドラマがあるので、そこでお客さんに何か感じ取ってもらえるようにしたいですよね。僕は「ニューヨークへ行きたいか」の一言。ここは特に命をかけています。
大歳 本当に力が入ってて、怖いんです、あれ(笑)。
吉田 僕は司会側なんですけど、役者さんとクイズをやるのって本当に面白いですね。みんな押したあとの出の感覚が抜群で、いいタイミングで答えてくれますし、声もしっかり張ってくれる。「この確定ポイントで押さないといけない」という部分でしっかり押してくれて気持ちいいです。あと、「競技クイズの何割かは司会」っていうのもわかるように作っていただいていて、将来は福留功男になりたいと思ったことがある人間としては、その夢が少し叶っていますね。「正解」って言うまでにためさせてもらったり。
中村 ためられてるときに、正解だとわかっていてもちょっと不安になるんですよね。「あれ、違った……?」って。
小澤 越山くんの「ダス・ゲマイネ」とか、めっちゃ楽しいです。
吉田 クイズをやっている人はもちろん、お客さんにも緊張感が生まれて、その緊張がとけたときの快感が次々と押し寄せてくるんですよ。この『ナナマル サンバツ』という原作と大歳さんの整理力は、本当にすごいと思います。「クイズの面白いところはここ」というのが、初めてクイズにふれる人にもわかるように綺麗にまとめられていて。評判が良かったら今後2回目、3回目とできるかもしれないですけど、その「次」のために来ずしてどうするっていうぐらい贅沢な舞台です。
大歳 台本のクイズ部分に関しては、吉田さんにもいろいろ監修していただいているんですよ。本当に頼りになって、ありがたくて。協力プレイでいい舞台にしたいなと思ってます。

――最後に、お一人ずつ意気込みやメッセージをお願いします。
大歳 「舞台」が好きで興味を持ってくださったお客様にも、このステージを通じてクイズの世界に興味を持っていただける作品を目指しています。クイズ好きの方はもちろん、クイズの世界を全く知らない方にもぜひ観ていただきたいです。
西井 久しぶりに原作のある舞台に出演させていただくので、表現の仕方には少し悩んでいますが、「競技クイズ」が題材なので臨場感・躍動感のある作品を目指しています。最初は自分から発信できなかった識が、しっかり意見を言えるように変わっていくグラデーションがあって、そういったところもぜひ観てもらいたいです。
鈴木 もともとクイズがお好きなガチ勢の方はもちろん、まだクイズにふれたことがないという方にも「クイズやりたい!」と思わせられる舞台にしたいと思っています。誰よりもクイズが好きで、答えることに必死。そんな真理ちゃんになっていくために、クイズの勉強もあわせて頑張りたいと思います。
小澤 クイズも舞台も生ものなので、その二つが合体したときに何が起こるのかという、新しい景色をお客さんに見せられるかなと思っています。登場するキャラクター一人ひとりが情熱的で、僕は情熱的だからこそ素敵だなと思いますし、そういう気持ちをお客さんにも感じてもらえたら嬉しいです。
中村 僕は『ナナマル サンバツ』に出会ったことでクイズの面白さや楽しさを知ったので、舞台を観に来てくださったお客さんにその楽しさを伝えられる作品にできたらいいなと思います。手の位置だったり、細かいお芝居にも注目していただきたいです。
吉田 小学生にクイズをやらせると必ず盛り上がるじゃないですか。大人になってもその「クイズって楽しい!」という気持ちを持ち続けている人たちが大切に育ててきた「競技クイズ」という文化が、この瞬間、日の目を見ます。その第一歩を踏み出したこの場にいられてラッキーです。これをきっかけに「クイズって楽しいな」と思って大会を見に来る人なんかが増えたらいいなと思います。そして、今回の公演だけで終わらず、「体感型クイズ施設」みたいなものができたり、「クイズ演劇」というジャンルが生まれたりするぐらいになってほしいですね。


【舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』公演概要】
■タイトル: ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE
■公演期間: 2018年5月4日(金・祝)〜5月9日(水)
■公演会場: 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
■原作: 『ナナマル サンバツ』杉基イクラ(『ヤングエース(KADOKAWA刊)』連載中)
■出演: 西井幸人/鈴木絢音(乃木坂46)/小澤亮太/中村嘉惟人/石田隼/横井翔二郎/加藤里保菜
石田剛太・諏訪雅・土佐和成(ヨーロッパ企画)
吉田尚記(ニッポン放送)・帆世雄一 ※Wキャスト
■脚本・演出: 大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
■企画・製作:「ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE 」製作委員会

■チケット情報
料金:
ナナサンシート 8,800円(税込)
一般席 7,800円(税込)
※「ナナサンシート」は特典グッズ付のお席となります。一般席との、座席位置などの優劣はございません。

★ナナサンシート特典★
1 『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』キービジュアル仕様A4クリアファイル
2 クイズ付き!文蔵高校新入生歓迎チラシ風デザイン仕様A4クリアファイル
※上記2枚組

チケット一般発売中: 3月10日(土)10:00〜
ぴあ http://w.pia.jp/t/7o3x-stage/
東京音協オンライン http://t-onkyo.co.jp/
スペース・ゼロ チケットデスク http://www.spacezero.co.jp/
e+(イープラス) http://eplus.jp/7o3x-stage/
ローソンチケット http://l-tike.com/7o3x-stage/
カンフェティ http://confetti-web.com/7o3x-stage/
詳しくは各プレイガイド受付ページをご確認ください。

公式サイト: http://7o3x-stage.jp/
公式Twitter: @7o3x_stage

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