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INTERVIEW

『パネルクイズ アタック25 Next』司会代役・石井亮次が感じた責任感とやりがい「今度はこっち(解答者席)に座ってみたい」

2022年6月某日、『パネルクイズ アタック25 Next』収録直後に囲み取材が行われた。代役として現在司会を務める石井亮次に、収録の手応えや印象に残っている出場者を聞いた。

――先日初回収録を終えたときに感想をいただきましたが、収録を重ねるうちに何か変化はありましたか?
石井 初回の収録の頃はただただ「楽しい」だったんですけど、46年の歴史がある中で「30年間予選に出続けていました」という出場者もいるので、回を重ねるにつれて「責任重大だな」と感じていまして。収録は毎回ドキドキしています。
――歴代で数々の司会の方がいらっしゃいます。
石井 児玉清さん、浦川泰幸さん、谷原章介さん、そして僕ですよね。噂よると板東(英二)さんも2回ぐらい司会をやっていると聞いたことがあるんですけど、それは置いておきまして(笑)。児玉清さんは厳しさの中にも優しさと情熱があって、浦川さんはアナウンサー的な歯切れの良さみたいなものがあって、谷原さんは優しくて穏やかでかっこええ、みたいな司会をされてきています。それら全部を見て、どれかをモノマネしてもしょうがないなと思いました。ただ、先日浦川さんと食事に行ったときにも「がんばってね」「石井さんなりのカラーを出して」と言われたんですけど、この14回の収録で自分なりの何かを出すのもおこがましくて。だから極めてプレーンにやろうとするがあまり、「アタックチャンス!」のポーズもいろいろと考えたんですけど、普通に「アタックチャンス!」って言っているだけ、みたいな。迷いながら結果普通になるというパターンになっていますね(笑)。でもカラーという意味では、放送枠が60分になって時間にゆとりができた分、出場者のキャラクターを引き出せるという部分があるんで、そこで僕なりのカラーを出せればなと思っていて。収録を重ねるにつれて、4人のキャラクターをいかに出そうかというのを腐心しながらやっています。すごいのが、クイズ番組ってピンポンとかブーがあるじゃないですか。でもこの番組って司会者が司会者判断でブーを鳴らしているんですよ。で、正解のときはピンポンっていう音がなくて、司会者が「その通り!」「お見事!」「正解!」って言って正解を伝えるという珍しいパターンの番組で。僕はそれを知らなかったので、出場者のキャラクターを引き出さなあかん、判定もせなあかん、盛り上げなあかんっていう忙しさにやってみて気づきました。ただコロナが落ち着いた今は応援が入るようになって、家族だったりクイズ研究会の先輩後輩だったりが来ていたりするとより面白くなることもあるので、そこは楽しんでいます。
――歴史ある番組で、司会席に立ってこの景色を見たときのお気持ちというのは。
石井 めちゃくちゃ緊張しましたね。だって45歳の私が生まれる前からやっている番組で、しかも沢木さんは児玉清さん時代にも問題読みをやっていたということで、めちゃくちゃ緊張しましたし、責任も感じました。だから、そんな生半可な気持ちではできないなと。とはいえ、代役だという一種甘えもあり。でも甘えているうちに怖さを知り、楽しさも知り、奥深さも知り……みたいな、『アタック25 Next』の世界観ってすごいなと思いながら回を重ねています。


――代役として心がけていることはありますか?
石井 結果的に「普通にやろう」と(笑)。ただ僕はCBCにいたときも、畑仕事をしている人にいきなり「おふくろの味食べさせてください」って声をかけるようなアポ無しのロケをずっとやっていたので、街の皆さんとしゃべる仕事をいっぱいやっていて。「テレビに初めて出ます!」みたいな人としゃべるのが好きだったので、その点はやりがいを持って楽しんでやらせてもらっていますね。
――収録中のやり取りに手応えはありますか?
石井 手応えは正直ないんですよ。でも、皆さん真剣勝負なので、この番組はもちろんクイズ番組なんですけど人間ドラマだなと思って。正解したらほんとの喜びの表情が出るじゃないですか、皆さん。で、間違えたらほんとに悔しそうにする。あの喜怒哀楽や人間ドラマを見られるのが、今すごく楽しいんですよ。そういうところでは手応えを感じています。その喜怒哀楽に着火するようなコメントができればなおいいかなと思いながらやっています。
――パネルの解説を沢木さんにお任せしてるのが石井さんの特徴です。
石井 ピンチヒッターだからできることだなと思います。僕はまだ5×5のあの世界を完全に理解できていないですから、10年間やってらっしゃった沢木さんに、オンエアで活かす活かさない関係なしに普通に聞いたんですよ。「沢木さんこれ状況どうですかね」と。児玉さんの横で10年見ているだけあってすっごいペラペラペラって答えてくださって、実はそれが視聴者の皆さんにも見るヒントにもなっていたんですね。あのやり取りを活かしてくれたディレクターさんにも感謝ですし、ちゃんと答えてくれた沢木さんにも感謝で。今は沢木’s Eyeって呼んでいるんですけど、意外と沢木さんもそれを喜んでくれています。
――最初は打ち合わせをされた上でのやり取りなのかなと。
石井 打ち合わせしていなくて。発明って言うと大げさですけど、僕が素人だから聞けるわけで、代役だったからこそ生まれた時間なのかなと思っています。正解のときも、皆さんのモノマネになっちゃうんですけど「そのとおり」「正解」「お見事」「よくご存知」ぐらいしかバリエーションがないんですよ。児玉清さんが正解を「そのとおり」って言ったのは本当に発明だと思っていて、それをますだおかだの増田さんに「ほかに何かないですか」と相談したら、「ピンポンって言うのもアホみたいやから、児玉清さん風にピンポォン!って言えばどうや」っていうことで。まだ一度も試してないんですけど、残りの収録で「正解」の新しい言い回しを何かひねり出したいなとは思っています。

――ちなみに「QUIZ JAPAN」編集長が石井さんのことをすごく褒めておりまして。「実はクイズ番組の進行の経験があったりするんじゃないか?」と。
石井 ないんですよ。ゼロです。クイズ番組に携わったのって『東大王』に1回出ただけです。一度も司会はやったことがないですし、解答席に座ったのもその1回だけですから、まったくの初体験です。ただ、ですよ。『ゴゴスマ』の会議中って後ろにボードがはってあるんですけど、そこに番号が振ってあるんですよ。1から12ページぐらいまであって、みんなで「はい、続いて何番!」「3番!」「OK、3番に青が飛び込む、ボーンボーン」とか言いながらやっていたんです。そうやって真似するのが好きで、それが今活きているんですよ。だから『アタック25 Next』の司会って僕にものすごく向いているなと思います。皆さんと喋るのも好きだし、白熱した展開も好きだから、好きな仕事です。ただ、好きだけど責任が重い。ピンポンって押したはいいもののなかなか答えない、というときもこっちでブーを押さないといけないんですよ。でも押すタイミングに「2秒やったらだめです」「3秒やったらだめです」みたいな明確な決まりがないので、空気感でブーを押さないといけない。そのときに「あぁっごめん!」と言うのと同時に、「僕が審判やで」っていう白井審判員の気持ちもちょっとわかって。その審判する難しさ、司会する難しさ、盛り上げる難しさ、いろんな難しさがあるので、褒められるのはめちゃくちゃうれしいです(笑)。ありがとうございます。
――印象に残っている出場者はどなたでしょうか?
石井 パネル0枚だった人がアタックチャンス以降、一気に逆転した回があって(5月29日放送の年間チャンピオン大会1st Round)。しかも「恐ろしく強い男」と呼ばれる、これまでに獲ったパネルの累計枚数が一番多いような人(中野亨・埼玉)を赤の人(𠮷川健司・大阪)が大逆転したんですよ。「あ、そうか。20枚くらい抜けていて持ち玉ゼロでも逆転できんねや、こんな大逆転ってあんねや」と思って、それが一番印象に残っています。奥深いですよね。あと、代役をやらせてもらってわかるのは、問題の精度の高さです。ご家族で番組を見てるじゃないですか。で、おじいちゃんおばあちゃんはやっぱり知識があるからポンポン答えるじゃないですか。でもときには子供が答えられる問題もある。老若男女が喜べるクイズの順番、内容になっていることに気づいて。誤答すると2問立つというのもよくできたルールで、2問立つとどんどんパネルが抜かれるんですよ。25枚しかないのに何通りも勝負の世界が広がっていて、すごい番組だなと思ってます。
――今回は代役という形ですが、今後はクイズ番組への進出も?
石井 声をかけていただければどんなところでも。そんな精神でやっているので、クイズ番組はこれからもぜひやりたいですね。
――7月いっぱいまで代役期間ですが、最後に意気込みをお願いします。
石井 あと何回か収録があるので、最後まで全力で頑張りたいなと思っています。そして、今度はこっち(解答者席)に座ってみたいなと。神田愛花、石井、鷲見玲奈、大橋未歩みたいな並びでフリーアナウンサー大会に出るのが夢です。


【概要】
パネルクイズ アタック25 Next
放送日時:2022年3月27日(日)より毎週日曜午後1時~2時放送
放送局:BSJapanext
チャンネル番号:BS 263ch
放送エリア:全国(BS放送)
放送形態:無料
制作著作:株式会社ジャパネットブロードキャスティング・朝日放送テレビ株式会社

司会:谷原章介
2022年5月1日(日)~7月31日(日)司会代役:石井亮次
出題:沢木美佳子

番組公式サイト
https://www.bsjapanext.co.jp/program/attack25next/

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