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INTERVIEW

『勇者ああああ』が見出したクイズ王のいじり方 板川侑右インタビュー(前編)

――あと、古川君・伊沢君以外だと、『東大王』の水上颯君・鶴崎修功君も出てましたね。彼らはどうでしたか?
板川 すごくちゃんとした、いい人たちでしたね。……で、彼らは『東大王』とかでスターとして扱われているじゃないですか? それをうちらは変なイジり方しようというので「工業高校生クイズ」を作ったんです。
――あぁ、あれは名企画ですよね!
板川 あの時は「あなたたちがクイズができるのは当たり前だし、そこはもうどうでもいいです」「そんなことより、よくわかんないバラエティ企画に乗っかってくださいね」っていう感じで笑いをとったほうが絶対に面白いと思ったんです。で、「何がいいかな?」ってなった頃に、平子(祐希)さんがよく「自分は工業高校出身だから全然勉強できねえんだよ」と言って、それに対し「別に工業高校だからできないんじゃなくて、アンタができないだけでしょ」「工業高校に失礼だろ、それ」なんてみんなでイジることがあって(笑)。
――なるほど(笑)。
板川 その時に「『工業高校生クイズ』って面白くね? 語感もいいし」みたいなのを思いついて、そこから始まったんです。って言っても、スタッフには工業高校に行ったやつ、誰もいないですけど(笑)。で、その時に僕が「はんだ付け早押しクイズって、面白いんじゃないですか?」とか言いだして……。
――あれは板川さんの発案だったのですね。
板川 僕はすごい不器用で、はんだ付けができなかったんですよ。工芸の時間は誰よりも作業が遅くて、最終的にはクラスの器用な友だちに全部やってもらってたぐらいで……。で、その頃に感じた、「言われた通りに溶かしてるのに全然電気がつながらない時の『なんだよ!』ってイライラ感がシンキングタイムだったら相当面白えだろうな」っていうところから閃いたんですよ。
――なるほど、板川さんの実体験から生まれた形式だったと。

板川 しかもこの企画って、クイズ王が不正解だったところでなんの傷もつかないだろうし、むしろ「よくこんなゲームに参加してるな」という馬鹿馬鹿しさで笑えるし。
――たしかに!
板川 やっぱり、出てきてくれた人に損はさせたくないんで。かと言って、今さら伊沢君がはんだ付けできようかできまいが、世の中の人にとってはどうでもいいじゃないですか。もちろん、平子さんが得意気に解いたとしても別に「そりゃそうだろ」と思う程度だろうし(笑)。ただ、水上君や伊沢君は「よくこんなくだらないゲームに参加してくれてるね」っていうだけでイメージが上がるだろうから。だから「ルール説明を聞いた瞬間に、みんなが『なんだ、そのルール?』って笑っちゃうようなものにしよう」というのは考えてますね。そこがすべてと言ってもいいくらいなんで(笑)。とにかく「ゲーム関係ねえじゃん」とか「クイズ関係ねえじゃん」みたいな企画に乗っかってくれた人たちが、いい人に見えたらいいな、という思いはあります。

©テレビ東京

――参加してくれた人にとって、バカバカしくもメリットのある企画を作りたいと。
板川 あと、僕らテレビ東京は予算もないし、カッコいいセットも作れないんです。それだったら、会議室の横でノコギリ切ったり、はんだ付けをしてるほうが「僕ららしいのかな」と思ったりもしました。それによって、クイズ番組をそのものをイジろうということですよね。もちろん、クイズ番組を馬鹿にしているわけではないですけど……。でも「早押し機を作る」って、面白くないですか?
――まさに「その発想はなかった!」です。ちょっと『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』っぽくもありますよね。
板川 そうそう! いかにも「馬鹿だな!」っていう、あの漫画によくあった発想ですよね(笑)。

(後編に続く)(完全版は5月28日発売の『QUIZ JAPAN vol.13』に掲載されます)

『勇者ああああ』が見出したクイズ王のいじり方 板川侑右インタビュー(後編)

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