2017年4月29日、渋谷のライブハウス・LOFT9 Shibuyaで、「味園夜会3 ~No 地下クイズ,No life~ 激ヤバトーク編」が開催された。
文字通り“激ヤバ”なこのトークライブを開催したのは、「味園クイズ研究会」と「クイズ夜会」。「味園クイズ研究会」はデザイナー・西野ヒロシが率いる、大阪に拠点を持つ集まり、そして「クイズ夜会」は、テレビでも活躍している能町みね子やしみけんらといった大物を中心メンバーにもつサークル。いずれも譲らぬ個性的なメンツが、ステージで怪気炎を上げていた。これで同コラボイベントの開催は3回目となるが、今度もまた波乱無しには終わりそうもなさそうである。
『地下クイズ王決定戦』でおなじみの渡辺徹や、2冊目の自著を出版し波に乗るクイズ女王・篠原かをり、『ネプリーグ』にも出演した経営コンサルタントの鈴木貴博といった、前回同様、非常に濃いメンバーが顔を揃えた。
最初は当たり障りのないフリートークの時間だったはずなのだが、それも彼らにかかればたちまち濃密な放送禁止トークに早変わり。過去行われた『地下クイズ王決定戦』の話題が挙がれば、当然その題材となった様々なスキャンダラスな事件の話になる。クイズにも造詣の深いAV男優のしみけんは「知人から『決定戦対策用に』と題して“今年裸になった著名人一覧”が送られてきた」と裏話を披露。また、近況報告に移ったかと思えば、篠原の「現在養っているヒモは、最高に可愛い女性が1人とブサイクな男が数人」という告白から、能町の「お互いに愛情を持っていない相手と結婚を考えている」というカミングアウトまで、日常ではまずお目にかかれない議題で会場は大盛り上がりとなった。他にも様々な話題がパネラーの間で飛び交っていたのだが、残念ながらとてもここに書けるような内容ではない。当日来られなかった諸兄にあたっては、何卒ご了承いただきたいところである。
いい感じに場が温まってきたところで、「味園夜会」恒例の企画『能町みね子プレゼンツ 文春クイズ』がスタートした。能町が文藝春秋の書庫にこもって作成したというこのクイズでは、「文春ジャニーズ」「文春セックス」「芸人ゴシップ」といった、見るからに不穏なジャンルからの出題で知識の深さを競い合うことに。案の定、超の付くほどハイレベルな問題が飛び交い、流石のパネラー陣ですら苦笑する一幕も見られた。しかしこの会場に足を運んだ観客も観客。問題がスルーとなり能町が「会場にわかる方いらっしゃいますか?」と聞くと、ちらほらと手が挙がる。見事スルー問題を正解した観客には、賞品としてTENGA一カ月分が送られ、会場は笑いに包まれた。
ここで2人の放送作家が特別ゲストとして登場。『地下クイズ王決定戦』で知られるBSスカパー!のバラエティ番組『BAZOOKA!!!』を手がける竹村武司と、『高校生クイズ』や『オールスター感謝祭』などでいまやクイズ番組の第一人者となった矢野了平が登壇した。『地下クイズ』企画の竹村からは「やろうと思ったがコンプライアンスの問題で通らなかった問題ジャンル」といった苦労話が、問題監修を一手に担当した矢野からは「『地下クイズ』の企画が持ち上がった時の誕生秘話」など、ここでしか聞けない「地下クイズ」にまつわる裏話が惜しげもなく披露され、過去の出場者である渡辺・しみけんらも興味深そうに耳を傾けていた。
ここで更にもう1つのクイズ企画がスタート。前回も好評を博した『(勝手に)地下クイズ王決定戦』だ。作家の矢野自らが用意した問題を使い、実際の番組を忠実に再現した、味園夜会の名物企画である。
「サザンオールスターズのPVに出演したAV女優。「女神たちへの情歌(じょうか)」は松本まりなですが、「シュラバ★ラ★バンバ」に出演したのは誰でしょう?」
「北朝鮮がミサイルを撃つのではと危惧され”Xデー”と呼ばれた4月25日はある節目を迎える日でしたが、何の85周年を迎える日だった?」
などなど、数々のアングラ問題が飛び交う乱戦を制したのは、コンサルタントの鈴木であった。鈴木はこの日、『文春クイズ』と両方を他を寄せ付けず勝利。それにしても、答える方も出題する方も、どこでこの知識を得たのやら、恐ろしくて尋ねるに及ばない。
夜が更けゆく中、最初から最後までデンジャラスだったトークライブは盛況のもとに幕を閉じた。普通のイベントならばこの記事も「今後とも注目である!」などと締めるところだが……陽のあたる表通りを歩く清廉な読者諸君を、この禁断の扉へ招き入れてもよいものか、どうにも悩むところである。