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INTERVIEW

『ニュース・博識甲子園』を通して高校生に届けたい想い スマートニュース山田大一インタビュー

高校生を対象して、2018年に設立されたクイズ大会『ニュース・博識甲子園』。新型コロナウイルスの影響により昨年はオンライン大会として開催され、今年で第4回を迎えるこの大会を、設立当初からサポートしてきたのがニュースアプリでおなじみのスマートニュース社だ。スマートニュースがクイズ大会をサポートする理由とは何なのだろうか? そこで前職のN高時代からクイズ研究会の活動にたずさわってきたスマートニュースの山田大一氏に、クイズを通して高校生に届けたい想いをうかがった。

プロフィール
山田大一(やまだたいいつ) 1981年、東京都生まれ。アミューズメント施設運営会社やオークションサイト運営会社などを経験後、2013年に株式会社ドワンゴに入社。2016年からN高等学校の職員として通信制高校における生徒間コミュニティ構築に従事。2019年にスマートニュース株式会社に入社。コンテンツ開発アソシエイトとして、ニュースアプリ「SmartNews」のコンテンツマーケティングを担当。


――山田さんは、スマートニュースに転職される以前、N高にいらっしゃいましたが、N高もクイズ研究会の活動が活発ですね。

N高には開校時から参加していましたが、ネットの高校として全国に散らばる生徒たちが一緒になって取り組める部活の活動を推進しており、そのプロジェクトのメンバーでした。そして立ち上がったのが「クイズ研究会」だったのですが、何年か続けていくうち、ネットでもクイズはできることを知り、活動の噂を聞きつけた沢山の生徒さんたちが集まって来てくれました。「N高にクイズ研究会があるから入学を決めた」という生徒さんまでいたくらいです。

ネット上でクイズをする文化はその頃まだ決してメジャーではなかったのですが、N高が置かれた生徒同士の距離の制約のなかで、それを乗り越えんとするネットのツールの存在や、何より生徒たちのクイズにかける情熱のおかげもあって何とか乗り切れたのでは、と思っています。

――山田さんが現在いらっしゃるスマートニュースは『ニュース・博識甲子園』の第1回からサポートされていますが、スマートニュースが高校生のクイズ大会を支援する理由を教えてください。

『ニュース・博識甲子園』は、日々ご自身が学校などで習ったり、先人たちが残した本や資料を読んだりすることで付けられる幅広い知識、つまり「博識」の部分と、いま目の前で起こっているニュースを読み解くための力、つまり「メディアリテラシー」の両方が問われます。

高校生の方ならご自身がお持ちのスマホなどで昔の資料をあたったり、ニュースをみたりすることはできると思います。ですが、この数年で情報の流通量は爆発的に増え、質にしても玉石混淆の状態がより進みました。残念ながら、不十分な状態の情報を目にすることによって人々がいがみ合い、分断が進む事態も引き起こされています。そんな混沌とした状況から正しい情報を見極め、読み解き、そして次の世代へ受け継ぐための能力をつけていくことがとても大事です。

スマートニュースはこのスポンサード以外でもメディアリテラシープログラムを実施していますが、それにとどまらずニュースの必要性を少しでも多くの若い世代のみなさんに知っていただくべく、また大会の意義に強く共感し、第1回大会からスポンサードを続けています。

――第1回、第2回では、スマートニュースの本社・イベントスペースで全国大会が行われましたね。

コロナ禍以前のお話になりますが、「全国大会はぜひ東京で」となったときに、主催である日本クイズ協会の皆様が場所を探されておられまして、それであれば、と弊社のイベントスペースをお貸ししようとなりました。会社としても、企業自体を知っていただく良い機会となりました。実際に収録が行われたときは、まるでテレビスタジオのようにセットが組まれて、本当にビックリしました。

――しかし残念ながら、昨年の『第3回ニュース・博識甲子園』は新型コロナウイルスの影響により対面でのクイズ大会の開催が不可能となり、予選から全国大会まで全てオンラインで行われました。オンラインによる大会をご覧になっていかがでしたか?

特に昨年、学生の方は対面でクイズが楽しめないという状況を、かなり窮屈に感じられたのではないかと思います。しかし、この制限をネット上での大会開催によって取り払ったことにより、対面・リアル形式では参加する機会に恵まれなかった生徒の方がそのチャンスを得てより多くの方とクイズを楽しめるようになったことは大きな進歩ではないか、とも思いました。リアルで行うだけでは補いきれない、誰もが参加できる大会をより手軽に実現できるようになったことは画期的だったと感じています。

おそらく、まだまだ「クイズを楽しみたいけど、その相手が見つからない」と思っている学生の方は少なくないのではないでしょうか。困っていることに対して、テクノロジーによってその制約を取り払い、一助になると知っていただければ、より世界は広がるのではと、同じテクノロジーを駆使したニュースアプリを提供する立場になってそれをより強く実感した大会でした。

――今年の『第4回ニュース・博識甲子園』は昨年と同様のオンライン大会なのですが、今年はオンラインの予選の参加費が有料化されたことで参加のハードルが上がってしまっておりましたが、参加費の無料化が発表されました。

本年度は外部システムの利用に際して費用負担が必要になってしまうということは前々からお聞きしており、協会の皆様も「本望ではないが…」と話されていたことが私の頭にずっと残っていました。正式に発表になってからも、個人的に学生の皆さんの反応をみていたのですが、様々な声があることをお見受けして、「何とかしなければ」と感じました。改めてスマートニュースが大会とかかわり続けた意義を考え、サポートできる体制を整えられないかということで、今に至ります。この大会を通じて、ニュースと触れあい、理解を深めるためのよい機会として多くの方にご参加いただけたら、大変ありがたいです。

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