全国から選りすぐった高校生から「金融知力ナンバーワン」を決めるクイズイベント『第10回エコノミクス甲子園』が2月27・28日(土・日)、東京・イイノホールで開催された。
認定特定非営利活動法人・金融知力普及協会が毎年年度末に開催している全国高校生金融経済クイズ選手権、通称「エコノミクス甲子園」は、今年で節目の10回目を迎えた。全国43ヵ所の予選会では、金融知識なら誰にも負けないと腕を鳴らす全国の高校生たちが熾烈な戦いを繰り広げ、その参加者数は過去最多の2242人に登った。
「高校生に楽しみながら金融・経済について学んでもらう」というコンセプトで始まったエコノミクス甲子園。ここで行われるのはただの一問一答クイズではない。社会に出てからは必要不可欠な能力が試される「プレゼンテーションクイズ」や、対戦校、つまり競合会社との駆け引きを重視した「信用格付けクイズ」など、一筋縄ではいかないルールばかり。かと思えば、「協力して製品の品質を上げる」ことをテーマとした「シックスシグマクイズ」といった周囲との協調性が求められるルールが飛び出したりもする。まさに、何が起こるか分からない「経済」を相手に柔軟な対応をすることが求められる大会なのだ。問題の方も、一端の大人たちでも舌を巻く難問・奇問が勢揃い。総合力が求められるこの大会に、全国から集まった44組88人の高校生が挑戦した。
並み居る強豪たちを打ち倒し決勝に駒を進めたのは慶應義塾、東大寺、新潟、広島学院の4校。決勝戦では非常に複雑なルールの「宇宙産業クイズ」が行われた。開始するやいなや、新潟高校の小幡尚輝・平山一帆ペアが知識面でも戦略面でも他校を圧倒、逆転の可能性を少しも感じさせない盤石のプレイングを続ける。結果、中盤でこの大きな点差を見た広島学院が2位を確定させる形でゲームを終了させる選択を取り、見事、新潟高校が圧巻の試合運びで410校の頂点に輝いた。
小幡「現実とは思えないくらい驚き。でも、とても嬉しい」
平山「ここまで来ることができたのは小幡くんのおかげ、感謝でいっぱい」
互いに喜びを分かちあった2人には、優勝賞品としてアメリカ・ニューヨーク研修旅行のチケットがプレゼントされた。
「また来年も挑戦し、二連覇を狙いたい」と語る新潟高校の2人。経済に興味がある、金融の知識に自信がある、そんな高校生諸君は是非「エコノミクス甲子園」に挑戦してみて欲しい。きっと、学べるものがたくさん見つかるだろう。
準優勝:広島学院高校
第3位:慶應義塾高校
第4位:東大寺学園高校
筆記1位:菊池凛(灘高校)