1975年に放送を開始した『パネルクイズアタック25』がいよいよ2021年9月26日の放送で最終回を迎える。このほど、大阪市内の朝日放送テレビのスタジオで、最終回の収録が行われた。
最終回は、1時間スペシャルで「史上最強のチャンピオン決定戦!」を開催。収録に先立ち、これまでの出場者のべ9000人以上の中から、過去にトップ賞を獲得した人限定で予選会が行われた。史上最高難度の問題が出される中、東日本から代表を6名、西日本から代表を6名選出。計12名がスタジオでの「史上最強のチャンピオン決定戦」に集結した!
収録に集まった12名は、「クイズ界のレジェンド」という名にふさわしい、輝かしい経歴の方ばかり。レジェンド同士、色々な大会などで顔を合わせるそうで、会話もはずみいつもとは違ったリラックスした雰囲気だ。打ち合わせでは、それぞれに「クイズの伝道師」「元祖クイズ女王」「最速早押しマスター」「アタック25を愛しすぎる男」などの肩書がつけられ、紹介されると、出場者の中で笑いや拍手が起こり、和気あいあいとした雰囲気で収録がスタートした。
今回の1時間スペシャルでは、予選ラウンドと決勝ラウンドを開催。まずは東日本ブロックの代表6名が早押し勝ち抜けでの予選ラウンドに参加。4問を先取した人から赤・緑の席に座る。続く西日本ブロックでは白・青の席に座る人を決定する。12名の中から決勝ラウンドに進めるのは、この4名のみ。ボタンを押すタイミングが早すぎると、問題の続きにひっかけが入っている可能性もあり、かといって遅すぎると強豪ひしめく予選ラウンドを突破できない。さらに、2問不正解すると、その場で失格となるルール。一度不正解してしまうと、次の不正解で失格となってしまうため、なかなか攻めることができず、収録前の雰囲気とは打って変わって、非常に白熱した厳しい戦いとなった。
果たして、決勝ラウンドに進出するのはどの4名なのか。そして最後の『アタック25』の勝者となり、“史上最強のチャンピオン”の称号を得るのは誰なのか? はたまた、最後の旅行問題に正解し、最後の「豪華!沖縄・宮古島プレジデンシャルスイートの旅」は獲得できるのか? 見どころ満載の1時間だ。
収録後、司会の谷原章介に話を聞いた。
―最終回の収録が終わった、今の心境は?
まだ最終回が終わったという実感がわかないですね。月に2回大阪に来るということが、「アタック25」のお仕事が始まってからの習慣だったので、これから今までのペースで大阪に来られなくなるんだな、ということが頭では分かっていますが、まだ実感が伴っていないです。僕の幼いころからあったこの「アタック25」が「ある」ことがあたりまえになっているので、「無くなる」ことの意味がまだ実感できていないです。これから東京に帰って、日を追うごとにじわじわと実感していくんでしょうかね。
―月2回、どんな気持ちで大阪に向かわれていましたか?
朝の番組が終わって、月2回大阪に来ることで空気が変わるというか、僕にとってのちょっとした非日常で、気持ちがリセットされていました。また、ここまで視聴者の方と直接繋がれる番組は、他にないんですよね。なので、とても貴重な時間でしたね。
ただ、ここ1年半ほどは、コロナの影響で、収録終わりでスタッフと食事を共にしながら「今日の収録はこうだったよね」「今後こうしていけばいいんじゃないか」というような色んな議論をしたり、時間を共有することが無くなってしまい、とても残念です。そんな中で番組が終わってしまうのはとても悲しいですね。
―最終回はどんな回でしたか?
とっても温かい大会でした! 出場してくださった皆さんが、本当に「アタック」のことを愛して下さっている。最後は勝ち負けをつけましたけれども、自分が最後のチャンピオンになって人を打ち負かしたい、とかそういうモチベーションではなく、過去の自分より上に行きたい、自分の弱いところを最後に克服したい、というような、自分自身との闘いをしていただいた気がします。
最後は、泣いている出場者の方も居ました。(予選ラウンド敗退者が座る)応援席からもすすり泣きが聞こえました。そんなに皆さんに愛された番組に携わらせていただけたことは本当に幸せでした。
―今まで出場していただいた方、見てくださった方へのメッセージを
本当に感謝しかないです! 視聴者の方が見てくださって、出たいと思ってくださって、多くの方が参加されてきたことで繋がったこの46年余り。本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、同時に僕のところでバトンを次に渡せなかったことに、申し訳ない思いもあります。
でも、最後は本当に素晴らしい大会になったと思いますので、是非とも皆さんに番組をご覧いただき、見届けてもらいたいと思います。
【ABCリブラ 秋山利謙プロデューサーコメント】
子どもの頃からずっと見ていた番組で、プロデューサーとして携わるようになってからも、日常の一部だった「アタック25」の終了は残念としか言いようがありません。
一般視聴者はもちろん、クイズ関係者やテレビ業界からも連日、惜別の温かい声が多数届けられておりますが、これほど全国の皆様から愛されたクイズ番組は比類ない存在だと思います。長い間、応援していただき、本当にありがとうございました。
【ABCテレビ 山口正樹プロデューサーコメント】
視聴者の皆様に愛され、時代とともに歩んで来た「アタック25」。
その46年の歴史の重みが詰まった最終回です。
「史上最強のチャンピオン決定戦」皆さんぜひ、最後の瞬間まで見届けてください。
【番組データ】
★『パネルクイズアタック25』
毎週日曜午後1:25~1:55(ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット)
※最終回は午後0:55~1:55
★放送期間 1975年4月6日~2021年9月26日
★全放送回数 2280回
★過去最高視聴率
1979年1月14日の24.2%(関西)
1980年1月27日の21.5%(関東) ※ともに世帯視聴率
★歴代司会者
児玉清 1975年4月6日~2011年4月10日
浦川泰幸(ABCテレビアナウンサー) 2011年4月17日~2015年3月29日
谷原章介 2015年4月5日~2021年9月26日
★ルール
『パネルクイズアタック25』をひとことでいえば、クイズにオセロゲームの一発大逆転のスリルを加えた陣取りゲーム。
“赤・緑・白・青”4色の解答席に座った解答者が、出題されたクイズにボタン早押しで解答権を得て正解すると、たて5×よこ5=25枚の桝目模様のパネルから1枚を選んで自分の色(解答席の色)に変えることができる。その際、オセロゲームのように、自分の色のパネルで相手のパネルをはさむことができれば、相手のパネルを自分の色に変え、持ちパネルの枚数を増やすとともに、はさんだ相手のパネル枚数を減らすことができる。
これを繰り返して、最終的にいちばん多く自分色のパネルを獲得した解答者がトップ賞となり、旅行をかけた映像クイズに挑戦できる。また25枚すべてのパネルを獲得した際は、「パーフェクト賞」として賞金100万円が贈られる。
(旅行挑戦クイズ)
トップ賞者が獲得したパネル部分を空白に抜いて行き、空いた部分に映しだされるヒントから推理して、人名や地名、歴史上の出来事等を答える。獲得したパネル枚数が多いほどヒントとなる映像の露出部分が多くなり、正解に有利に働く。
【概要】
『パネルクイズアタック25』最終回1時間スペシャル 史上最強のチャンピオン決定戦!
放送日時:2021年9月26日(日)午後0:55~1:55(全国ネット)
司会:谷原章介
出題:加藤明子(ABCテレビアナウンサー)
出場者:東日本代表(日髙大介、石野まゆみ、倉門怜央、布川尚之、大美賀祐貴、齊藤喜徳)/西日本代表(國光恭幸、網盛健、山内奈緒子、青木紀美江、西山敬太、安本健太郎)