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北野高等学校が初出場で初優勝!! 『第14回エコノミクス甲子園』全国大会レポート(PART.2)

日本全国から集まった高校生が金融知力の知識を競い合う「マニュライフ生命カップ第14回エコノミクス甲子園全国大会」(以下、「エコノミクス甲子園」)が2月9日に東京都内で開催され、全国大会初出場の北野高等学校(大阪)が優勝。副賞のニューヨーク・ボストン研修旅行を獲得した
「エコノミクス甲子園」は、高校生に金融・経済にまつわる知識を楽しみながら学んでもらうという理念のもと、2007年から毎年開催されているクイズ選手権。今年はインターネット大会を含む全国479校より2414名が出場、地方予選を勝ち抜いた全46チームが決戦の地・東京に集い激しい戦いを繰り広げた。
さらに今回の大会で初めての試みとして、『東大王』(TBS系)などで活躍中のクイズ王・伊沢拓司率いる人気クイズメディア「QuizKnock」から、こうちゃんがスペシャルゲストとして登場。問題文の読み上げやYouTubeでのライブ配信の実況・解説など担当し、大会を大いに盛り上げた。
そんな本大会の熱戦の模様をお届けするレポート、PART.2をお届けする(PART.1はコチラから)。

複雑すぎるルールに全国の精鋭たちも大混乱!?
「第14回エコノミクス甲子園」決勝ラウンドが開幕

ついに決勝ラウンドを迎えた「第14回エコノミクス甲子園」。並み居る強豪校を抑え、決勝のステージに上がったのは新潟高等学校(新潟)、北野、高松高等学校(香川)、武蔵、栄東高等学校(埼玉)、江戸川学園取手の6チームで、そのうち3校が全国大会初出場というフレッシュな顔ぶれとなった。そんな彼らが挑むことになった決勝のクイズは「連結せよ!ブロックチェーンクイズ」。ビットコインを始めとする仮想通貨を支える中心技術「ブロックチェーン」をモチーフとした全10問の早押しボードクイズだ。

 

ボードクイズに正解した高校は、スクリーンに表示された縦7×横7のマス目に2つのブロックを配置する権利を得る。そして、中央の「ジェネシスブロック」を始点として、ブロックが連結してできる「ブロックチェーン(以下、チェーン)」の長さによって各チームのポイントが加算されていくという一風変わったルールだ。このシステムの面白いところは一番長いチェーンだけがポイントに加算されるというもの。下記の画像を見ていただきたい。

 

上記の画像は第1問終了時点のものだ。ボードクイズに正解した北野と新潟は、それぞれブロックを配置する権利を得たが北野は北にまっすぐ置く一方で、新潟は西と南に分散させる作戦を取った。このような場合は右画像のように、一番長いチェーンは上方向に伸びている2ブロックと判定され、北野にのみ2ポイントが加算される。各チームが戦略を立ててチェーンを伸ばし、優勝を目指してポイントを稼ぐ必要がある。

さらに、早押しクイズに正解したチームは、ブロックを伸ばすことができる権利とともに、チェーンを「繋ぎ直す」権利が発生。例えば、あるチェーンの一部を切断し、代わりに隣接するチェーンに繋ぎ直すといったことも可能で、その結果、一番長かったチェーンが入れ替わった場合は、それまで一番長かったチェーンの得点はすべて0となってしまう。また、繋ぎ直しによってチェーン内で「ループ」が発生した場合はそのチェーンに含まれるブロックすべてが空白ブロックに変化。自分たちのチェーンを伸ばすだけではなく、相手校のチェーンを打ち消すことができる繋ぎ直しの存在を頭に入れた上で作戦を立てる必要があり、金融知力だけではなく戦略性も問われる内容に各高校とも頭を悩ませていた。とはいえ、ブロックを置くには確実に正解を積み上げていかなければならない。
そして始まった決勝戦、序盤から各高校がしのぎを削るデッドヒートが繰り広げられ、第3問では、当期純利益÷自己資本あるいはEPS÷DPSの計算式で求められる指標はなにかを問うクイズが出題されたが、答えである「RPE(自己資本利益率)」を正解できたのは新潟、栄東、江戸川学園取手の3校のみ。決勝の舞台に相応しい難易度の問題に、各高校それぞれが必死に解答を絞り出していく。

第5問終了時点で北野が4ポイント、新潟が3ポイントで後を追うという展開で中盤戦に突入。そして迎えた第6問で後の展開を決定づけたともいえる分岐点が訪れる。

破綻した金融機関の受け皿になる金融機関は何かを問われたクイズで、問題文の途中で早押しボタンを押したのが暫定トップの北野。決勝ラウンドでは、早押しボタンを押して不正解になった場合はブロックを置けず、さらにその問題を間違えたチーム数だけ減点となるルールもある。そのため、全チームが間違えた場合は-5ポイントとなり、トップから一転最下位になる危険性すらあった。しかし、北野の2人は、よほど自信があったのか危なげなく正解の「ブリッジバンク」と解答。
チェーンを伸ばして2ポイントを加算して6ポイントとする(繋ぎ直しは行使せず)。その後、第8問にも正解した北野が8ポイントとリードを広げ、栄東が5ポイントで追いかける展開でついに迎えた最終問題。

「『金融機関が国際的な業務を行うためには、リスク資産の自己資本の割合が一定の数値を超えていなければならない』というルールを何規制というか」

最後の問題に相応しい難問に早押しで勝負に出たのは、いまだ0ポイントの高松だった。早押しした高松、そして優勝目前の北野の2校が正解の「BIS規制」と解答し、優勝の行方は2校のブロック配置で決まることに。するとここで、早押しした上で正解を導き出した高松がチェーンの繋ぎ直しを決断! 他チームや客席が高松の選択を固唾を飲んで見守る中、2人は「3-ウ」から「3-イ」に伸びているチェーンを切断し、隣接している北野のチェーンに繋ぎ直すと高らかに宣言。その結果、一番長いチェーンは北野と高松のみとなり、0ポイントだった高松が一気に2位にジャンプアップ!!

 

それと同時に5ポイント差を守りきった北野の優勝が確定し、令和最初の「エコノミクス甲子園」の頂点に輝いた。壇上で大きくガッツポーズを見せた北野の原・福岡ペアに、決勝を戦い抜いた各高校からも大きな拍手が贈られ、全国大会初出場ながら優勝という最高の結果を勝ち取った彼らの活躍を讃えていた。

全国制覇を成し遂げた北野の原崇史・福岡哉汰ペアは、優勝後のインタビューで「友人が200問の対策問題を作ってくれたり、クイズ研究会のみんなで早押しの練習をしたりと、そういった準備のおかげで勝てたのではないかと思います」(原)、「小さい頃からニュースを見ることが大好きでした。そうやって少しずつ蓄積された知識が発揮できたのではないかと思います」(福岡)と、優勝の要因を明かしてくれた。
原・福岡ペアは、昨年の地方大会で惜しくも敗れ準優勝で全国大会の切符を逃していたが、全国大会初出場で優勝という最高の結果でリベンジを果たした。2人は年内にも優勝商品であるニューヨーク研修旅行に旅立つ予定だ。


『第14回エコノミクス甲子園』

優 勝:大阪府立北野高等学校
準優勝:香川県立高松高等学校
第3位:新潟県立新潟高等学校
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