2014年6月1日(日)、東京・五反田のゲンロンカフェにて、『アメリカ横断ウルトラクイズ』12代チャンピオン・瀬間康仁氏、13代チャンピオン・長戸勇人氏をスペシャルゲストに招いた「QUIZ JAPAN」主催のトークライブが開催された。
今回のトークライブは、6月よりファミリー劇場で『第12回アメリカ横断ウルトラクイズ』が再放送されることがきっかけとなって企画されたもの。その『第 12回ウルトラクイズ』の優勝者である瀬間氏と、翌年の『第13回ウルトラクイズ』を制した長戸氏が揃って登場する貴重な機会とあって、会場には多数のクイズファンが詰めかけた。
開演時間の19:00。まずは瀬間氏・長戸氏の登場に先立って、本誌編集長・大門と本誌でライターとして活躍する徳久倫康氏(ゲンロン)によるオープニングトーク。ここで『QUIZ JAPAN』第2号の内容・発売予定日などが明かされる。大門によると、『QUIZ JAPAN』第2号は「東大クイズ研のエース・伊沢拓司くんが聞く、ロザン・宇治原インタビュー」「東大・京大の強豪プレイヤーによる座談会」など、東大・京大を大フィーチャーした内容になるとのこと。また、会場の大半をウルトラクイズファンが占めていたためか、第2号に「『第1回ウルトラクイズ』チャンピオン・松尾清三さんインタビュー」「『第13回ウルトラクイズ』で準決勝を戦った4人による座談会」などが掲載されることが明かされた際には、会場内にひときわ大きな歓声が沸き起こった。なお、気になる発売日は「8月上旬を予定している」とのこと。
オープニングトークが終わると、会場内に瀬間氏・長戸氏が入場。トークライブ本編がスタートする。まずは2人の出会い、共に青春時代を過ごしたRUQS(立命館大学クイズソサエティー)でのエピソード、『ウルトラクイズ』以前のクイズでの戦績など、若かりし日々の秘話が瀬間氏・長戸氏の口から次々と語られる。クイズファンにはいずれも興味深い話だったが、特に
「新入生向けの説明会で長戸らにクイズでボコボコにされたことが、RUQSに入ろうと思うきかっけとなった」
「『ウルトラクイズ』放送直前に『クイズダービー』に出場して勝っていた。出場したのは、七夕前に毎年恒例だった「遠く離れた恋人大会」だったが、希望者が少なかったためかハガキを出しただけで出場できた」
といった瀬間氏のエピソードは、メディアで語られる機会が少なかったためか、会場内のファンに特に関心を持たれたようだ。また、瀬間氏は『ウルトラクイズ』では硬派なイメージがあったためか、思い出話を語る際のユーモアあふれる語り口に対して、「意外とオチャメな人だったんですね」という感想も多く聞かれた。
他にも
「RUQSの初代早押し機はボタンを押してもランプしかつかなかったので、誰かがボタンを押したら音で問題読みに知らせる係も必要だった」
「当時の早押し機は電源に近い方が早くランプがついたので、電源に遠いボタンを持った人が早く押しても、他のボタンを押した人の方が先に押したと判定されることがあった」
「慶應のクイズ研から早押し機を譲ってもらったときには、“ランプと音が同時だ!”と感動した」
といった「昔の早押し機談義」には大きな笑い声が、
「マン・オブ・ザ・イヤー(マンオブ)は“学生日本一決定戦”を謳っているのに関東の学生しか参加できなかった。関西が参加してないのに日本一を名乗るのはおかしいと、直談判して乗り込んでいった」
「マンオブに初参戦した時は、名古屋大学と立命館で上位を独占して旋風を巻き起こした」
「そんな状況から、“箱根を越えたら別のクイズがある”と言われたりもした」
といった「かつての学生クイズ界の勢力図」的な話には感嘆の声が上がるなど、この時点で会場のボルテージはどんどん高まっていった。
続いては、お待ちかねの『ウルトラクイズ』話に突入。今回は『第12回ウルトラクイズ』再放送直前ということで、特に瀬間氏の思い出話にスポットを当てつつ話が進行した。
「『第10回ウルトラクイズ』の成田空港で負けたのは、左利きなのに右腕で腕相撲をさせられたから」
「『第12回ウルトラクイズ』は、ドームの予選は補欠合格だったんだけど、くじびきによる補欠順位が5位だったので無事、成田に進むことができた」
「『QUIZ JAPAN』第1号の座談会で推測していた通り、グアムからアラスカへの直行便はなかった。なので全員、一度グアムから成田に戻ってアラスカに行っている。だから、移動距離は5万5千kmより多い」
「決勝で紋付袴を着用したのは、長戸が“ウルトラで決勝に行ったら紋付き袴で出たい”と言っていたのをパクった」
といった話に、会場はグイグイと引き込まれる。また、瀬間氏が「サプライズとして持ってきました」と言いつつ
・『第12回ウルトラクイズ』のスタジオ台本
・優勝賞品(バイオマリンスポーツセット)のマニュアルと手袋
・お土産として購入したアメリカ合衆国のパズル
(後に『第13回ウルトラクイズ』で3位の賞品として贈られたものと同じもの)
といったお宝グッズを取り出した時には、場内にこの日一番の驚きの声が巻き起こった。
一方の長戸氏も
「実は自分も『12回ウルトラクイズ』では補欠合格だったが、くじびきの順位が50番台だった。番組スタッフに“アメリカのビザはとってます!クイズ頑張ります!”と電話でアピールしたが、呼んでもらえなかった」
「瀬間さんには“泥んこクイズでは素数の封筒に簡単な問題が入っているから、31より大きい素数を選べ”とレクチャーしてた。が、自分の時は封筒がなかった。結果、泥をかぶることになってしまった」
「優勝賞品は過去2年、しょうもないものだったから、“それよりマシなものが貰えるだろう”と思っていた。が、実際には過去2年以上にとんでもなかった」
などといった話を披露、こちらも大いに盛り上がった。
続いては、観客の皆様に書いていただいたアンケートを元にした、瀬間氏・長戸氏への質問コーナー。
瀬間氏へは
「“細かすぎて伝わらない『12回ウルトラクイズ』”を教えてください」
「優勝賞品はぶっちゃけ、どう思いましたか?」
長戸氏へは
「早押しハットを初めて見た時の感想は?」
「優勝賞品(冷凍保存権)はまだ有効ですか?」
といった、いかにもウルトラファンらしい質問が両者にぶつけられる。時には苦笑いを浮かべながら、また、時には「よくぞ聞いてくれました!」とばかりにドヤ顔をしながら質問に答える瀬間・長戸の両氏。どの質問も大いに盛り上がったが、特に「献血はまだ続けていますか?」という質問に対し、瀬間氏が「昨日もしてきました!」と即答した瞬間は、ひときわ大きな笑いが巻き起こった。
イベントの最後を締めたのは、瀬間氏・長戸氏のサイン入りグッズ争奪大ジャンケン大会。今回は瀬間氏と観客全員でジャンケンをして、最後まで勝ち残った1名にお宝グッズがプレゼントされるという趣向だったのだが……。ここで瀬間氏が『ウルトラ』を制した強運(?)を発揮、なんと3回連続で観客を全滅に追い込むという想定外の事態が勃発! 結果、「今回は瀬間さんが勝者、お宝プレゼントはナシ」という判定に。これには会場内からもブーイング……かと思いきや、そのような不満の声は一切あがらず。むしろ、「さすが『ウルトラ』のチャンピオンは持ってる!」という感嘆の声に包まれたのは、ウルトラファンが集まった会場ならではのことだったろう。
大いなる盛り上がりの中で幕を閉じた今回のトークライブ。しかし、瀬間氏・長戸氏ともに「まだまだ、話したりない。話せることはいくらでもあるよ!」とのことなので、もしかしたら再度トークライブが開催される可能性も? 本誌としても、12回以外の『ウルトラクイズ』の再放送が決まれば、今回のようなチャンピオンを招いてのトークライブを積極的に実施していきたい意向なので、『ウルトラクイズ』の再放送と歴代チャンピオンのトークライブを期待する方は、是非ファミリー劇場に「ウルトラ再放送」リクエストの熱い想いをぶつけるべし。
なお、ニコニコチャンネル「QUIZ JAPAN TV」の有料会員となると、今回のイベントの模様を視聴することが可能。『ウルトラクイズ』の裏話で盛り上がりまくったトークライブを追体験したい方は、是非チェックを!