さる1月20日、沖縄の八重山諸島にある竹富町の町制70周年記念事業の一環として開催された『竹富町海洋シンポジウム』において、八重山諸島内の島々に住む小中学生同市の交流を目的とした「竹富町・ふるさと発見!小中学生クイズ大会」(協力:角川ドワンゴ学園N高等学校、監修:一般社団法人日本クイズ協会)が行われた。
このシンポジウムは八重山諸島内に設けられた8つの会場をインターネット回線で結び、様々な企画をニコニコ動画によって生放送されるというもの。そのひとつとして実施されたクイズ大会は「それぞれの離島にいる小学生たちが、自分たちで考えた“竹富町にちなんだクイズ”を出題しあう」という内容。大会に先立っては、クイズ作家の日高大介がクイズ作成のノウハウをそれぞれの島ごとに、オンライン上で事前に指導した。
大会に参加したのは、白浜小学校(西表島・中野地区)、竹富小中学校(竹富町)、船浦中学校(西表島・大原地区)、上原小学校(西表島・中野地区)、小浜小学校(西表島)の4校。本番では、日高と吉田尚記アナウンサー(ニッポン放送)の進行のもと、子供たちが自作の3択問題を出題していく。
特にスタジオをざわつかせたのは、白浜小学校が作ったこの問題。
竹富町の“ちょうちょう”ではないものは?
① あかしょうびん
② もんしろちょう
③ にしおおますこうじゅん
この問題、「ちょうちょう」がひらがな表記なのがミソ。実は①が竹富町の「町の鳥(赤翡翠)」、③が竹富町の「町長(西大舛髙旬さん)」なので、昆虫の蝶々である②が「“竹富町のちょうちょう”ではない」から正解となるというカラクリ。説明を聞いた吉田は「君たち、放送作家になれるよ!」と太鼓判を押すほどの出来だった(なお、この問題はクイズ作成の特別賞に選ばれた)。
その他の学校も選択肢の3つ目にオチを入れるなど、日高からレクチャーされたテクニックを体得しており、「子供たちが、自ら作った問題を出題し合うという」大会の趣旨がきちんと成立していたのが印象的だった。ちなみに、クイズ大会は150ポイントを獲得した竹富小中学校が優勝、優勝賞品として「東京ディズニーランド2泊3日の旅」が贈られた。
子供たちの熱量を肌で感じた司会の2人は、「クイズのプロでは作れない、沖縄の竹富町ならではの発想で作られた問題が多かったのが印象的でした。先生や地元の大人の方も巻き込んで子供たちが楽しんでいたので、これは新しいクイズの形になりそうな気がしました」(日高)、「種子取祭(600年近くの伝統を持つ竹富島の行事)に加えてほしいですね」(吉田)と、手ごたえを十分に感じた様子だった。
「ネット回線を通して離島をつなげ、交流する」という大きなプロジェクトのひとつにクイズが選ばれ、参加した子供たちにワクワクする体験を提供したことは、今後のクイズの在り方を考えるうえでも非常に大きな意義があったのではないだろうか。もしかすると「クイズによる地方活性化」といったことも夢ではないのかもしれない。