弊誌「QUIZ JAPAN」主催、KONAMIが全面協力により、オンライン対戦クイズゲーム『クイズマジックアカデミー』(以下『QMA』)のトークライブが9月24日、東京カルチャー×カルチャーで行われた。当日は約100人のプレーヤーが来場し、会場は満員御礼。あらためて、2003年の稼働開始から13年目を迎える長寿ゲームの人気ぶりと、それを支えるファンの持つ熱量のすごさを思い知らされた。
イベントは3部構成で行われ、第1部は「スタッフマル秘トーク!」。『QMA』の石原明広プロデューサーや、日本テレビ系『高校生クイズ』などを手がける放送作家の矢野了平氏、『QMA』の問題監修を手がける『QUIZ JAPAN』の大門弘樹が登壇した。
最初のテーマは「『トーキョーグリモワール』の反響について」。今作から魔法アカデミーという枠を越えて、舞台がより現実に近い世界になったが、石原プロデューサーは「会う方、会う方に“次で最後なんじゃないんですか?”“いつ終わるんですか?”と」と、ややマンネリ化が進んでいた『QMA』に対して危機感があったことを吐露。また、すでに次回作の準備を行っている段階であることも明かした。舞台の大幅な変更には賛否両論があるだろうが、当日の「『トーキョーグリモワール』になってよかったと思う人?」との質問には、来場者の過半数が手を挙げていた。
続いては、今年6月からスタートし、ちょうど折り返しを迎えた「QMAジャパンツアー」について。ここではデータを用いた詳細な解説がなされ、現段階での参加者総数「1060」、総大会申請数「350」といった数字がディスプレイに映し出されるたびに大きな拍手が沸き起こった。大会参加数1位のプレーヤーは、4カ月で42もの大会に参加していたことが明らかになるなど、興味深いデータが次々と示されていった。
そして、石原プロデューサーは「出してはいけないデータなので」と言いながらも、四神戦の「朱雀」「白虎」「玄武」の日程を発表するサプライズも。ただし、「あくまで予定として見て下さい」との注釈があったことも付け加えておかねばならない。
ちなみに、その「出してはいけない」日程は以下の通りだ。
・朱雀戦 10月14日(金)〜23日(日)
・白虎戦 11月25日(金)〜12月4日(日)
・玄武戦 1月13日(金)〜22日(日)
また、早くも来年もツアーを実施することを約束。今年、実際に申請があったという「ペア大会」など、バラエティ色を増した大会の構想も明かされた。
お次のテーマは「検定」。ここもデータがメインで、全75検定の「プレー人数」「プレー回数」「一人あたりのプレー数」といった各種ランキングが発表された。ちなみに各ランキングの1位は「プレー人数」が「レトロゲーム」、「プレー回数」が「声優・吹き替え」、「一人あたりのプレー数」が「競馬(2016年版)」だ。ただ、このコーナーの主役をかっさらったのは、この3つのいずれでもなく、3ランキング全てで最下位(実質最下位も含む)となってしまった“逆三冠王”の「中南米」。来場した熱烈なファンの中でも、プレーしたことがあるのは2〜3人だけという有様だった。似たジャンルの「世界地理」はむしろ人気上位だというのに、この明暗はどこから生まれたのだろうか。「中南米」おもしろいんだけどな……。(by記者・五島)
そして第一部の最後では、ファンにとって嬉しいニュースが。何と、石原プロデューサーが、『QMA』のサントラを制作中であることを発表。収録曲は100曲を超える見込みで、発売は2017年春を予定しているとのことだ。
第2部は「出演者赤裸裸トークバトル!」。カイル役の関通利、アロエ役の長谷優里奈が『QMA』ファンの前に初登場。「関はカイルのような落ち着いた役をやったことがなかった」「長谷にとってアロエが人生初の萌えキャラだった」と驚きの事実が続々と明るみになったほか、関が『QMA』をプレーしていたところ、カイル席に座っていたプレーヤーたちが「(カイルを)大嫌いだ!」と話していてショックを受けたという悲しいエピソードも披露された。また、石原プロデューサーはキャラクターボイスの新規録音を予告する場面もあり、会場は一層の盛り上がりを見せた。
続いては「クイズ○×アカデミー 勝つのはアロエ?カイル?」と題された「○×クイズ対決」。実際のゲームでも出題されている「パンダも冬眠する」「宝塚歌劇団の団員は在籍中は結婚してはいけない」といった5問の難問を終えて勝利したのは……3問正解の関! 優等生キャラの面目躍如といったところだろうか。
最後の第3部は「トッププレーヤー座談会」。KONAMI公式大会で2勝を挙げているたけしたKこ(現・きたがわKこ)氏、賢竜杯3勝のれお氏、公式大会ファイナリストのイズミ氏、秋葉原オープン2勝のすやあ氏と、いずれも泣く子も黙る強豪プレーヤーが集結し、『QMA』についてのトークを展開。「『QMA』の魅力」については、競技クイズの経験があるすやあ氏が「競技クイズと違い全員に解答権があるところ」と指摘するなど、クイズゲームならではの視点も伺えた。また、4人は普段の勉強方法など、強くなりたいプレーヤーにとっては垂涎の話も惜しげもなく披露。「分からない問題が出題されたら写真に撮って、後でExcelなどでまとめる」という手法は4人とも共通だった。
当日は複数のメディアと同時進行。動画はYouTube Liveで生配信されたほか、twitter上で質問を受け付け、それに解答するコーナーも設けられた。最後はイベント中に「22人のキャラクターを色紙に描かないと帰れない」という企画に挑戦していた公式イラストレーター(ナカジマケイイチと吉永雅宏)の手による生イラストの抽選会(最終的に31枚まで増加!)が行われ、あっという間の2時間30分は大盛況のまま幕を下ろした。『QMA』13年の歴史の中で初めての開催となったトークイベントだが、スタッフ・出演者・ファンの三者が生の声を伝え合う貴重な機会として、とても有意義なものになったのではないだろうか。ゲームの発展ともども、今後もこうしたイベントの機会が増えることを期待したい。