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沖縄県の離島をクイズでつなぐ! 日高大介がクイズ作成を指導

沖縄県の八重山諸島からなる竹富町。この町が町制施行されてから70周年が経ったことを記念し、竹富町海洋シンポジウムが1月20日に一橋大学で行われる。そのシンポジウム内で、八重山諸島内の海を隔てたそれぞれの離島に住む小中学生の交流を目的とした「竹富町・ふるさと発見!小中学生クイズ大会」(仮題)が催されることが決定した。

KADOKAWAとドワンゴによる学校法人である角川ドワンゴ学園N高等学校全面協力、一般社団法人日本クイズ協会監修のもと、会場と各離島のモニターをネット回線で繋ぎ、小中学生たちが自ら考えた「竹富町にちなんだクイズ」を出題し合うというイベントだ。

生徒たちがクイズを考案するにあたり、事前に作問ワークショップが行われた。本番と同じようにネット回線で東京と沖縄を繋ぎ、クイズ作成の指導を行なうのはクイズ作家の日高大介。N高のクイズ研究会に所属する生徒達も参加し、和気藹々とした雰囲気でワークショップが始まる。

この日参加していたのは、西表島からは白浜小学校、船浦中学校。そして竹富島から竹富小中学校の3校だ。はじめはおっかなびっくりといった表情を浮かべる小中学生たちであったが、日高からの「島での暮らし」や「好きなクイズ番組」などの質問に答えるうちに、すぐにリラックスしたムードになった。

作問のアドバイスに入る前に、まずは小中学生たちに『クイズ作りのイロハ』を伝授。日高が「クイズに大切なのは『驚き』。答えを聞いた解答者が思わず「へえ~」と言ってしまいそうになる情報が入っているといいでしょう」と、雑学の知識が得られる問題づくりが良いと説明するも、島の小中学生たちはまだピンと来ていない様子。ならばわかりやすい例を挙げようと、日高は即興で問題を出す。

「沖縄の方言で『ニシ』といえば、どの方角でしょう?」

選択肢は『北』『東』『南』の3つ。沖縄の方言とはいえ、今の若い世代には使われていないのか、竹富町の子供たちの解答は綺麗に分かれた。

その様子を見た日高が「こういう風に解答が分かれる3択問題は、すごく良い問題ということです。自画自賛ですけど」とおどけてみせると、子供たちからも笑いが起きた。

クイズの正解は『北』。
「諸説ありますが、方角は北が中心と考えられていたため、『主(ヌシ)』と呼ばれていたのが次第に『ニシ』と変化して、琉球に根付いていったようです。ちなみに本来の西は、沖縄の方言で『イリ』といいます。太陽が沈む、つまり『海に入る』方角なのでこう呼ぶのですが、西表島の『西』を『イリ』と呼ぶのはここから来ているのです」と日高が解説すると、子供たちから思わず「ああ~!」という声が。

「そうそう!今の『ああ!』が大切。このような反応を引き出すクイズが、解答者の心に響く問題ということです」と日高。クイズ作家らしい見事な例題だった。

「良いクイズの本質」を伝授してもらった離島の子供たち。次は「クイズ作りが上手になるコツ」だ。上手なクイズを作るには、何はともあれ多くのクイズ問題に触れること。今回のワークショップは全3回開催されるが、次の回までに「10問のクイズを作ること」を宿題として課している。その間にクイズ番組をたくさん視聴してほしいと日高が話す。

「現在、一週間で多くのクイズ番組が放送されていますが、ひとくちにクイズ番組と言っても、それぞれの特色があります。例えば、家族みんなで楽しめるクイズだと『ネプリーグ』や『くりぃむクイズ・ミラクル9』。深い知識を得られるのは『Qさま!!』や『世界!ふしぎ発見』。解答者の魅力を引き出すのが『99人の壁』といった具合に、番組ごとに雰囲気が違います。ただ視聴するだけではなく、研究者になったつもりで「これはどういう狙いを持ったクイズなのだろう」などと観察してみてください」(日高氏)

また、クイズ番組の話題から、クイズ作家である自身の経験談も。「過去に担当したクイズ番組では、1回の収録にあたり100問使う場合でも、毎回その10倍の1000問から絞りに絞って100問を選んでいたこともありました。いま担当している『99人の壁』でも、まずは10人のクイズ作家が1つのジャンルでそれぞれ20問は作ります。そこからクイズ会議で予備問題を含めて7問に厳選。それが100ジャンルありますので約700問を毎回用意します。放送で使われるのはたった50問くらいですが」と日高が話すと、「えっ」と驚く子供たちの声が。「何気なく楽しんで観られるクイズ番組ですが、これだけの情熱を注ぎ込んで制作されているんです」とまとめると、神妙な顔でうなづく子供たちの様子が見て取れた。

今回のイベントで扱われるクイズは3択問題だ。それに合わせて、最後に「3択問題で大切なこと」を日高は子供たちに教える。

「正解以外の2つの選択肢も、解答者に「どれも正解にみえるなぁ」と思わせなくてはいけません。つまり、『上手なウソを盛り込むこと』が重要です」と話す日高は、問題と答えを先に教える例題を出し、これに『上手なウソを盛り込んだ』残りの2択を子供たちに考えてもらうという、いわば『逆算』方式の3択問題作りの練習を提案した。

問題は「日本で初めて鉛筆を使った人物は誰でしょう」というもの。答えは「徳川家康」と話すと、またもや子供たちから「えっ」という声が。微笑みを見せた日高が「これも驚きのある問題。みんなわかってくれたみたいで嬉しいです。ちなみに、静岡県にある久能山東照宮には実際に使われた1本の鉛筆が展示されています」と言うと、子供たちは大いに驚く。

しばしのシンキングタイムが設けられたのち、各々が考えた不正解の選択肢をいよいよ発表することに。竹富中学校は「聖徳太子と坂本龍馬」。白浜小学校は「伊能忠敬と西郷隆盛」。船浦中学校からは「イエス・キリストと徳川家光」という驚きのチョイスも飛び出した。

まずは子供たちの発想を褒め称えた日高は、具体的な3択クイズの指導に入る。
「一番基本的なことは、3つの選択肢にまとまりを作ること。例えば、『徳川家康・織田信長・豊臣秀吉』といった感じです。明確な共通点があるほうが解答者に『どれかな』と選ばせることができます。ですが、この例の悪い点は3人とも時代が近いということ。問題を解いたとしても『家康でも信長でも秀吉でも別に誰でもいいじゃん』というように、『ふーん』で終わってしまいます。少し異なる時代で、いかにも『鉛筆を初めて使っていそうな人』をチョイスするといいでしょう」

そう話した日高は、子供たちの意見をまとめて、「徳川家康・伊能忠敬・坂本龍馬」という選択肢を提示した。
「例えばですが、この選択肢に一言加えて、『日本で初めてメガネを使用した徳川家康』『日本で初めて実測地図を作った伊能忠敬』『日本で初めて株式会社を作った坂本龍馬』と、『日本で初めて』をキーワードに共通点を作ると問題に深みが出ますね。『うわー、どれも正解に見える』と思ってしまう『迷いがいのある問題』にすると、より面白いクイズになります」(日高氏)
解説を聞いた子供たちは、ワークショップ開始直後とはまったく違った表情で「はい!」と返事をした。

この日の終わりには、「クイズは解く側だけじゃなくて、作る側も頭を使うことがわかった」「クイズを作るほうも面白い」という感想を残してくれた竹富町の子供たち。日高直伝の『クイズ作りのイロハ』は、しっかりと子供たちに伝わったようだった。

後日、「クイズを10問作る」という宿題を添削するという形で、第2回目が行われた。クイズはイベント当日で使われるため詳しくは記載できないが、その問題の数々を見て安堵した様子の日高に、今回のワークショップの手応えを聞いた。

「正直に言いますと、小中学生にクイズ作りの肝が伝わるかどうか心配していましたので、みなさんの作ってきた問題がしっかり意図を汲んで作られているのがわかりホッとしました。そのうえ、子供ならではの発想や、沖縄の地元を深く調べて作られた面白い問題もあり、指導させていただいた身としてとても嬉しく思います。僕自身も勉強させていただきました」(日高氏)

クイズのプロによる指導によってひと味もふた味も深みが増した子供たちのクイズ。
イベントが大盛況となることを願ってやまない。

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