2003年にシリーズ第1弾が登場した、タッチパネル操作方式によるアーケード用オンライン対戦クイズゲーム『クイズマジックアカデミー』(『QMA』)。そのシリーズ最新作となる『クイズマジックアカデミー 軌跡の交叉 -Xross Voyage-』のロケテスト(※正式稼働前のテスト)が、東京都千代田区にあるゲームセンター、東京レジャーランド秋葉原店にて2月22日(金)~24日(日)の期間限定で行われた。
以下、本作のプレーインプレッションと、ロケテスト会場でお会いした開発スタッフのインタビューを併せてお届けしよう。
「協力クイズバトル」に新形式クイズが登場
以前にも増してチームワークが問われるのは必至
ロケテスト版では、プレーヤー同士で力を合わせて、クイズに答えて敵キャラクターの討伐を目指す「協力クイズバトル」のみプレーできるようになっていた。最大4人まで同時参加が可能で、規定の問題数を消化後、チーム全体の成績によって勝敗が決まるという基本ルールは、現行の『クイズマジックアカデミー MAXIVCORD』と同じだが、新形式の協力クイズが時折出題されるのが、本作の一番の注目ポイントだ。
新形式の協力クイズは、「協力一問多答クイズ」「協力線結びクイズ」「協力グループ分けクイズ」の3種類。
「協力一問多答クイズ」は、6~8個の選択肢の中から正しいと思われる選択肢を1人1個ずつ選んで解答し、全員が正しい答えを選ぶと正解となるクイズ。
「協力線結びクイズ」は、プレーヤーごとに割りてられた選択肢と、該当する項目とを線で結ぶクイズで、全員が正しく線を結ぶと正解となる。先に仲間が解答を確定させた選択肢は、斜線が表示されてタッチができなくなる。
「協力グループ分けクイズ」は、プレーヤーごとに割り当てられた選択肢を該当するグループの位置へ移動させて解答するクイズで、全員が正しいグループを選べれば正解となる形式だ。
いずれの新形式クイズにも共通しているのは、解答を選択後に「OK」をタッチするまでの間は解答が確定しないことと、ほかのプレーヤーの解答状況もリアルタイムで見られること。これらの特徴を利用して、例えば「協力一問多答クイズ」で得意ジャンルが出題された場合は、最も難解な選択肢を真っ先に選んで解答して、ほかの仲間のために簡単な選択肢を残す作戦を取ることができる。また「協力線結びクイズ」と「協力グループ分けクイズ」においては、もし正解する自信のない問題が出た場合は、ほかの仲間が解答を終えるまでしばらく待っておいて、選べる選択肢が少なくなってから解答するなど、仲間の知恵を借りて正解の確率を高めるとような作戦も可能となる。
その都度マッチングした仲間の得意・苦手ジャンルを推測しつつ、協力クイズではいかにチームワークを発揮できるかどうかが、以前にも増して攻略の大きなポイントとなりそうだ。
そのほか「協力プレー」モードでは、仲間に正解を教える「想伝のメガホン」など、過去のシリーズでもおなじみのお助けアイテムも使えるようになっていたことや、成績に応じて随時評価が変わる「協力Qレート」が新たに導入された。協力Qレートによって、選択または推奨される難易度が決まる仕組みのようだ。
そして今作の大きな目玉として、新たなクイズ形式として「一方通行クイズ」が新登場した。これは四択クイズをアレンジした形式で、新たな選択肢をオープンさせると、それ以前にオープンした選択肢を選んで解答できなくなるのが特徴だ。
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『クイズマジックアカデミー 軌跡の交叉 -Xross Voyage-』開発スタッフ インタビュー
――本作はシリーズ第15作目にあたり、2003年にシリーズ第1弾が登場してからちょうど15年目の登場となるわけですが、どのような舞台設定、あるいは世界観になっているのでしょうか?
一番のキーワードは「堂々の帰還」だと思います。前作の『クイズマジックアカデミーMAXIVCORD』でも、生徒たちは元の世界に一度は帰ろうと思っていたのですが、トーキョー(※前作までの舞台となる世界のこと)で異変が続く真の原因を追求するために、もう1年の間だけトーキョーに残ったわけですね。そして、先日公開されたエンディングで、生徒たちが堂々と元の世界に帰還を果たしましたので、今回は久々にファンタジックと言いますか、クラシックな世界に戻ります。
おそらく『クイズマジックアカデミー トーキョーグリモワール』(※2016年に登場したシリーズ第12弾で、これ以降の作品の舞台はトーキョーになった)から始めたプレーヤーも多いと思いますので、3年間トーキョーにいた生徒たちが戻って来た、今回のクラシックな世界のグラフィックや雰囲気、サウンド、そして成長した生徒たちの姿を感じながら、ぜひ楽しんでいただきたいですね。
開発するにあたっては、ただ戻って来ただけではなくて、今までのシリーズの集大成にしようと、スタッフのみんなで話をしました。その結果、本作は今までのシリーズで遊べたいろいろなモードがガッツリと遊べて、どんな人でも遊べるようなものにしようと考えて作ることにしました。
――サブタイトルの『-Xross Voyage-』には、どんな意味が込められているのでしょうか? 「X」と「V」をくっ付けると「XV(15)」になる語呂合わせでもあるとは思いますが。
そうですね。過去15年の間に、いろいろな所へ行って経験をしたことの交叉や軌跡に掛けたということですね。
――本作から、新しい生徒などのキャラクターが追加される予定はありますか?
新しいキャラクターはいないのですが、生徒たちの制服のデザインが一新されますので、こちらにもぜひ注目してください。
――集大成ということは、トーナメントや検定試験などの定番モードも引き続き遊べるわけですね。
はい。『MAXIVCORD』の協力プレーモードでは、ユーザーアンケートで「『ダンジョン形式の協力』を遊びたい」というご意見が一番多く寄せられましたので、「ダンジョン」を復活させようとしました。当時はプレー時間が長く、最後のボスまでたどり着けなかった人もかなり多かったと思いますので、その部分だけを切り取った形にして、集中して遊べるようなものにしています。新バージョンでも引き続きこのスタイルで遊べます。
それから、「コマンド形式の協力モード「マジックコロシアム(以下マジコロ)」をまた遊びたい」というご要望もありましたので、過去のシリーズの教訓を生かしてリニューアルした、新生「マジコロ」が遊べるようにもしました。いつ遊びに来ても、「ダンジョン」と「マジコロ」のうち、必ずどちらか一方が選べるような配信スケジュールにする予定です。
――前作で初めて導入された、クイズとカードバトルを融合させた、「リコードアリーナ」も登場するのでしょうか? また、もし遊べるのであれば、今までに入手したリコード(カード)は、次回作でも使えるのでしょうか?
もちろん遊べます。前作で集めたリコードも、ゲームバランスの調整などが入るかもしれませんが、基本的には全部引き継げるような形になります。
――本作から登場する、新リコードの配信も予定しているのでしょうか?
はい。最初から大量に追加するのではなく、都度増やしていく予定です。
――前作では、リコードがストーリーと密接に関わっていましたが、本作でも同様にストーリー上の鍵を握るような存在になっているのでしょうか?
いいえ、リコードはあくまでも前作のトーキョーを舞台にして起こったものですので、ここで生まれたお話としては完結しています。ですので、今回のリコードはスポーツのひとつとして彼らの中に残ったという設定ですね。
――今回のロケテスト版でも遊べた新形式の協力クイズですが、例えば自信がある問題は速攻で解答して、残りの選択肢を減らして仲間の正解率を上げるといった戦略を考えることも重要なポイントになりそうですね。
そういう意図もありますし、オンラインで常に共有ができますので、「これだよ」って正解を教えてあげたり、あえて難しい選択肢を最後に残しておくとか、リアルタイムでお互いのことが見えるようにしようと意識して作りました。それから、シリーズの集大成ということで、クイズのほうもアップデートして新しいクイズを出したいなという思いもありました。
――新しいと言えば、1人で解答する四択クイズのほうにも、今までにない出題形式の問題があったので驚きました。最初は1番目の選択肢しか表示されず、その選択肢が不正解だと思った場合は、画面をタッチして2番目以降を1個ずつオープンさせて、正解と思しき選択肢が出たらそこで解答するという、ちょっと変わった出題形式ですよね。
はい。「一方通行クイズ」と我々のほうでは呼んでいます。自信と勇気がかなり試されるクイズだと思いますよ。
――それから、「協力クイズバトル」には「協力Qレート」という、クイズの結果に応じて変動する評価値が新たに導入されましたよね? なぜ、このようなレーティングを実装したのでしょうか?
協力プレーモードでは、自身のクイズ力とミスマッチした強さを持つ敵の討伐に向かってしまうプレーヤーがどうしても出てきてしまうんです。逆に、我々の側で難易度を全部指定する方法を試したこともあったのですが、そうすると今度は、「自分が遊びたい難易度になっていない」というご意見をいただくようになりました。
それで、いろいろと考えた結果、「ここはレートが高い人じゃないと選べません」という難易度もあれば、「ここではレートが高い人推奨ですが、低い人でも選べます」という難易度もあるという形にして、プレーヤーが選べる難易度に対して、より納得感が出るようにしました。難易度選択の方法については、今後もより良い方向に改善していきたいなと思っています。
――今回のロケテストは3日間の短期間でしたが、プレーした皆さんの反応はいかがでしたか?
我々が一番確認をしたかったのは、新形式のクイズを受け入れていただけるかということでした。おかげ様で、「良かった。面白かった」という前向きなご意見をたくさんいただけましたね。「一方通行クイズ」では、分岐問題(※「○○と言えば××ですが、では△△は?」などという形で、問題文の途中で分岐する問題のこと)が出題されたときに、「正解の選択肢を飛ばして先に進んでしまった場合は、前の選択肢に戻せるようにしてほしい」というご要望もあったのですが、そこも含めて「一方通行」だとご理解をいただいた上で、ぜひ楽しんでいただければと思います。
――これまでのシリーズと同様に、本作でも公式全国大会の「QMAジャパンツアー」などのような、大規模なイベントを開催する予定はありますか?
まだ検討段階なのですが、今回も皆さんにお楽しみいただけるようなとりくみを引き続きできるようにしたいと考えています。
――稼働時期はいつ頃を予定していますか?
すみません。こちらも現時点ではまだお答えできないのですが、なるべく早く皆さんに遊んでいただけるよう、現在鋭意開発中です。
――それでは最後に、本サイトをご覧になっている『QMA』ファンのみなさんにメッセージをお願いいたします。
本作は、経験を積んだ生徒たちが、さらに成長した姿を感じ取れるように考えて作ってあります。それに沿う形で、各ゲームモードを改善したり、復活をさせたりしていろいろな遊びを用意していますので、過去のシリーズ作品を遊んでいた方がまた戻って来られるようにも、新しく始める人が入れるようにもなっていると思います。続報は公式サイトで随時公開していますので、ぜひご期待ください。
(C)2019 Konami Amusement
・『クイズマジックアカデミー 軌跡の交叉 -Xross Voyage-』公式サイト
https://p.eagate.573.jp/game/qma/15/p/index.html