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全国から集った「経済」に関心を持つ高校生たちがその知識を競い合う、『第9回エコノミクス甲子園』の全国大会が2月14・15日(土・日)、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。
認定特定非営利活動法人・金融知力普及協会が主催する「全国高校生金融経済クイズ選手権」。「エコノミクス甲子園」の通称で親しまれているこの大会は2007年に第1回が開かれ、現在では金融庁や文部科学省も後援する大規模なイベントに成長。全国各地で行われた40予選に数多くの「経済知識」に聡い高校生が出場し、その数は過去最多の401校1134組に上った。
「将来の生活向上や夢の実現に必要な経済・金融の知識を楽しく学ぶ」というコンセプトで始まったこの大会は、一般に思い浮かべるような「クイズ大会」とは一味違う。早押しクイズは勿論のこと、「プレゼンテーション」「ディベート」などが主体のラウンドなども盛り込まれており、非常にユニークなものとなっている。次々と出題される3択クイズに素早く答えていく「早上げ3択」や、対戦チームの間違いを「告発」できる「風説の流布クイズ」など、今年もやはりアイデアに富んだ形式が多く見られた。決勝戦も「早押し+論述」と一筋縄ではいかないものばかり。幅広い知識と表現能力、そして柔軟な対応力が求められる形式に、全国から集った40組の精鋭が挑戦した。
熱戦の末、敗者復活戦から勝ち上がってきた札幌南を4-1で下し見事優勝を果たしたのは、宮崎西高等学校の宝蔵・井上ペア。史上初の女子チームの戴冠となった。
宝蔵「(第7回大会で準優勝した兄について)正直、兄に勝てるとは思っていなかった。ようやく勝てた気がして嬉しいです」
井上「予選で敗退したかと思っていたので、びっくり。決勝の論述はディベート部としての強みを生かせて良かったです」
はにかみながらも謙虚なコメントを見せた2人には、晴れて優勝賞品としてニューヨーク研修旅行のチケットが贈られた。世界からの視点を通じまた新たに見識を深め、一流の「エコノミスト」への道を歩んで貰いたい。
優 勝:宮崎県立宮崎西高校
準優勝:北海道札幌南高校
筆記1位:園部裕人(茨城県立水戸第一高校)