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INTERVIEW

結婚、卒業、新展開。山里亮太と伊沢拓司が振り返る『東大王』の歩み

結婚、卒業、新展開。山里亮太と伊沢拓司が振り返る『東大王』の歩み

「東大王」チームの支柱として番組を牽引してきた伊沢拓司とよき理解者として、その成長を見守ってきたMC・山里亮太。互いに「結婚」と「卒業」という人生のターニングポイントを迎えた2人が『東大王』の歩みを感謝を込めて振り返る。(2019年6月23日収録 聞き手:大門弘樹 撮影:玉井美世子)

正解に至る脳の回路まで
説明できる伊沢のすごさ

――まずはご結婚、おめでとうございます!
伊沢 ホントにおめでとうございます!
山里 いやぁ、ありがとうございます。そういえば『東大王』のみんなもお祝いとかしてくれたんです。
伊沢 いえいえ、恐縮です(笑)。実は僕、山里さんの一連の流れを勝手に身近に感じられたというか。というのは、その頃にちょうど『たまむすび』(TBSラジオ)の放送があったりなんかもあって。
山里 あっ、そうかぁ!
伊沢 だから、すごい身近に感じられて。しかも一週間くらい、ずっと圧倒的なフィーバーだったから「これはすごいな!」って(笑)。
山里 そうね、世の中全体が「もういいだろ!」ってくらいになってたからね。でも、ありがたい話ですよ。……で、伊沢はこういう自分の節目の時に、一緒にいたわけだから。
伊沢 いやぁ、すごいですね。ビックリというか。
山里 不思議な感じだよね。

――ちなみに、他の『東大王』のメンバーはどんな感じの反応でしたか?
伊沢 みんな驚いていましたよね。
山里 そう?
伊沢 僕は朝3時頃に起きてたら、そのスクープが目に入ってきたんですよ。でも、「どう反応したらいいんだろう?」というか……本当なのかわかんないじゃないですか。だから「とりあえず何も言わないでおこう」と思って。で、朝になってメンバーたちが「おめでとうございます」って言っているのを見て、「あー、本当だったんだ!」って。

――皆さんが「おめでとうございます」って言っていたのは、ツイッターですか?
山里 うん、ツイッター上で。……で、鶴ちゃん(鶴崎修功)だけは、なんかちょっと悔しそうなツイートしていた。
一同 (爆笑)
山里 「なんだ、結婚おめでたくないのかよ!」みたいな。なんか鶴ちゃんだけは、どっか俺のことを下に見ていたというか。あいつはそういうところあるからね(笑)。
伊沢 で、その発表が終わった週の日曜日に収録があったんですけど、最初の10分間くらいはもう、ずっと山里さんタイムみたいな。ヒロミさんからのお話があったりとかして……。あれ、すごかったですよね。
山里 そうね(苦笑)。

――お祝いといえば、伊沢君がこの春に東大王メンバーを卒業して、タレント活動を本格化するようになりましたね。山里さんからはお祝いはありましたか?
山里 そういえば、卒業祝い的なことって何もやってないよね?
伊沢 はい。まぁ、お祝いというような雰囲気じゃなかったですからね。
山里 というのは、僕らからすると「伊沢がうちらのチームからいなくなっちゃう、敵になっちゃう」っていう喪失感の方がでかかったから。だから、お祝いという空気にはならなかったね。
伊沢 番組の雰囲気的にはそうでしたね。
山里 今はもう、ほかのメンバーたちもガンガンとファイティングポーズを取っているけど、伊沢がいなくなったあとの一発目とかはみんな「どうしたらいいんだろう、俺たち?」みたいな感じだったんですよ。ちょっと迷子みたいになっている感じがしたというか……。それを見て「伊沢は精神的な支柱だったんだなあ」というのを感じましたね。

――伊沢さんは、当時を振り返ってみてどうですか?
伊沢 僕自身、「卒業する」ってことはわかってたわけですけど、卒業に向けてどうこう……みたいなのは正直、あんまり意識してなくて。むしろ、周りの方が僕の卒業についてあれこれ言ってくださって、「あぁ、ありがたいな」ってなったという感じでした。
山里 だって、こっちサイドは「どうやれば伊沢を逃さないか」って思っているわけだから。
一同 (爆笑)
山里 伊沢って、番組が期待したもの以上のものをくれたりとかするじゃないですか。クイズの補足説明なんかをものすごく綺麗に尺に収めてくれるし、正解に至るまでの脳味噌の回路とか順番・レシピなものをきちんと説明してくれるし……。「クイズって、答えが出れば終わりじゃないんだ」っていうのを、伊沢を見てすごく感じたというか。
伊沢 ありがとうございます。
山里 例えば「全く知らない問題でも、ここら辺のやつをこうやって組み合わせたら答えに辿り着くんだよ」っていうのを見せたら、観てる人がクイズを好きになるし、得意になっていくじゃないですか。伊沢はそういうのを、本当に教科書みたいに見せてくれるから「すげえなぁ」と思って。
伊沢 まぁでも、それはこの番組にレギュラーとして何回も出たからこそ出来るようになったと思うんですよ。例えば、出演している中でヒロミさんや山里さんと距離が近くなっていくうちに、お二人から「長えよ!」みたいな半畳が入ってくることがあって。
山里 うん(笑)。
伊沢 別の番組でも、くりぃむしちゅーの上田(晋也)さんとかから「長えよ!」って言われたこともあるんですけど(笑)。前はそういう「それ、要らねえだろ!」みたいなのがあったんですけど、この番組を続けてきた中で「あっ、そうか。もうちょっと短くやればいいのか」みたいな適尺がわかってきたというか……。実際、最初の頃のオンエアを今になって見返してみると、全然できてなかったりとかするんですよね。
山里 えっ、そうなの? じゃあ、俺が持っているのは今の印象なんだなぁ。
伊沢 だから「この番組に育ててもらった」っていう感じは、すごくしますね。
山里 まぁ、育ったよなあ。めちゃくちゃ育った……。「育てた」って意識はないけど、「育ったな」とは思う(笑)。でも伊沢って、ほかの子と比べると本当にそういう所がすごいよね。新しく入ってきた子たちは正直まだまだなんだけど、そのうちちゃんとなるのかな? そういう意味では、最近は水上(颯)がちゃんとそうなってきているのがすごいな、と思ってるんだけど。
伊沢 そうですよね。最初と全然違うから(笑)。
山里 ねぇ! やっぱ違うよね?
伊沢 はい(笑)。やっぱり「東大王」として背負うものだったり、求められるものだったりがわかっているというか……。あと、今はヒロミさんがずっと水上に振るじゃないですか? それに答えているうちに、前よりもずっと受け答えができるようになったというのはあると思うんです。定期的に反復して上達しているんで、「昔とは全然違うな」っていう感じはありますね。
山里 そうなんだよなぁ。クイズでも会話でも何でも、学ぶこと全てがすごいスピードで、止めるものがもう何もない、というか……。全ての行動において「必ず学習して上達する」というのが彼のすごい強みで、そこは「羨ましいな」「いいな」と思っていて。
伊沢 逆に言うと、そのあたりを番組側がナビゲートしてくれる、っていうのもすごい大きいんですよ。

――「ナビゲートする」というのは?
伊沢 たとえば、『東大王』ってけっこうガチンコな番組じゃないですか?
山里 そうね。
伊沢 この番組は「ガチンコ感を普通の番組より解放することによって、新しさを出してる」みたいな感じだと思ってるんですけど、たまにガチが行き過ぎちゃう時があるんですよ。出演者同士、ガチが重なってお互いに「ちょっと出し過ぎだろ」ってなっちゃったり。
山里 あぁ、あるね(笑)。
伊沢 そういう時に、山里さんとかがストップをかけてくださったりとか。
山里 えっ、そう?
伊沢 ヒロミさんはけっこう「ガチンコをバラエティの中にもっと出せ!」って感じなんですけど。そこで山里さんが逆にストップをかけてくれるので、塩梅として整うのかなっていう。それでいうと、僕がすごく覚えているのは入れ替え戦。あの時、僕と水上で決勝をやったんですけど、お互いにけっこう加熱したんですよ(苦笑)。
山里 あぁ、あれはすごかった(笑)。
伊沢 もうバチバチやってて、ちょっと判定が遅れたりすると、お互いに苛立ちみたいなのが出ちゃったりとか……。そんな時に、山里さんが「伊沢、気持ちはわかるけど、ここは大人になれ!」って一言だけ言ってくれて。
山里 え、ホント? 俺、そんなこと言ったっけ?
伊沢 はい。それで僕、すごい冷静になれて、逆にクイズに集中できた、みたいなのがあったんです。
山里 そうかぁ。じゃあ、もしそれを言わなかったら水上が余裕で勝っていたのかな。
一同 (爆笑)
山里 もう伊沢は敵だから、次からは落ち着かせないよう気をつけないと(笑)。
伊沢 あはは(苦笑)。でも、そういうところで止めてくださる、みたいなのは見事なナビゲートだなぁと。
山里 でも、それはもう、普通にすごいもん見せてもらっているからね。だって、みんなアスリートでしょ? 「クイズアスリートたちがすげえ試合を見せてくれそう」って時は、戦いが白熱するよう手助けしたいというか。

――なるほど。
山里 ただ、伊沢には「落ち着け」なんて言っていた俺が、こないだ白熱しちゃってさ。なんか砂川(信哉)を見てたらブチ切れちゃって……。で、あれがまぁ、ネットで叩かれる叩かれる。
一同 (爆笑)
山里 「砂川君も頑張っている」なんて言われたんだけど、俺からすると「違う!」と。「アイツはあの時、なんかボーッとしていただろ」っていう。
伊沢 確かにボーッとしてましたね(笑)。
山里 そう。一番やっちゃいけない間違え方をしてたもんね。で、「これは疲れているんだな」と思ったから「下がれ、この野郎!」って。

――愛のあるムチだったのですね。
山里 まぁ、砂川が悲しい顔をしちゃったので「悪いことしたな」とは思ったんだけど(苦笑)。
伊沢 でもまぁ、これだってさっき言ったナビゲートなわけですし。僕たちが番組の中でクイズをやっている時、どっちに進んだらいいかわかんなくなるタイミングってたくさんあるんですよ。そういう時にMCのお二人なんかが「こっちだよ」って指示を、普通の番組よりもすごく丁寧に出してくれるのはすごくありがたいですよね。

正解への道筋を表に出せる
『東大王』は画期的

――3月には東大王チームが見事に10連勝を達成しましたね。
山里 いやぁ、あれはしびれましたね。伊沢がいる間に10連勝して良かったな、って思います。
伊沢 そうですね。「卒業まであと10回」という場を用意していただいたので、ホントに良かったです。
山里 しかし、ああいう「絶対にここはこうなるべきだ」という時に伊沢たちが見せる集中力、あれはもうバケモンだね。伊沢は昔から特にそうだし、最近は水上もそうなりつつあるんだけど、番組のことをすごく考えてくれているというか……。なんて言うんだろうな、「番組としてめちゃくちゃ欲しい画があるのに、それが自分たちのミスで叶えられない」ってなったらすごい責任を感じてくれる子たちじゃない? だから、最後10連勝がかかった時は気合が違ったもんね。
伊沢 そうですね。
山里 まぁ「海外旅行に行きたい」とかもあったのかもしれないですけど(笑)。でも、それ以上に「クイズで負けるのはイヤ」というプライドと、「自分たちをフューチャーしてくれている番組に恩返しをしたい」という義侠心、そういうものをすごく感じる10連勝だったかなあと。
伊沢 そういえば、10連勝する前に最後に負けたのがデヴィ夫人のチームを相手にした時なんですけど、その時の負け方がけっこうメチャクチャだったじゃないですか(苦笑)。
山里 そうそう(笑)。
伊沢 デヴィ夫人がイケイケムードだったからこそ、「それを跳ね返すのが東大王」っていうのを見せなきゃいけなかったのに……。それこそ悪い流れのほうに、実力のなさで行ってしまって。あのときの楽屋のお通夜ムードといったら(苦笑)。
山里 へぇ、そうだったんだ。
伊沢 はい。4人だった頃って、負けるたびに楽屋はお通夜になってたんですけど、あの時はマジでヒドかったですから。
山里 へぇー!
伊沢 そういうのを経験しているからこそ「マジで負けられん」という時には気合が入るというのはあります。……ただ、勝つ時って流れで勝ったりしますけど、誤答してしまうと流れがぶち壊れて、どうしてもリカバリーができなくなってしまうことがあって。そういう意味では、「流れを壊す誤答だけはしないようにしよう」というのは、どんなに気合が入っていても心掛けてはいますね。
山里 でも、誤答もエンターテイメントになる時があるじゃない?
伊沢 そうですね。
山里 それもすごいな、って思うんだけど。例えば「このタイミングで押すのはめちゃくちゃリスキーで、誤答してしまう確率が高い」みたいな時でも、「そこで押させるものがあるんだ」とか。そういう意味では、今の東大王の子たちっていうのは一挙手一投足ごとにドラマを生み出しているんですよね。例えば世界遺産の問題で、グーグルアースがまだ地球全体しか映してないのに伊沢が押してきて……。今はもう、なんとなく当たり前みたいな感じで「地球押し」なんて言ってますけど(笑)。でも「こんなリスキーなところで伊沢が押す」ってことは、逆に言うと「伊沢は今、ここまで苦しめられているんだ」っていうことじゃない。で、それで答えちゃう伊沢はちょっとイカれているん思うんだけど、それ以上に「すごいな!」って。
伊沢 ありがとうございます。
山里 しかも、もしそれで伊沢が間違ったとしても、ほぼ同じぐらいのタイミングでほかの東大王たちが押してくるでしょ? たぶん世界遺産の問題って、あまり東大王チームに有利な問題ではないと思うんですよ。ああいうのって、伊沢以外はそんなに強くないから。だから「もうちょっと待って、より確実に行けばいいのに」なんて思うんだけど、伊沢への対抗心なのか水上とかも地球がけっこう残っている状態で押してくる。そういうのを見ると「アイツらの中には、東大王vs挑戦者という番組内の勝負だけではなくて、クイズを愛する者同士の戦いもあるんだな」って思ったりして。まぁ、杉ちゃん(杉山真也アナウンサー)なんかはご機嫌に観覧していて、「まだ地球じゃねえか!」って普通に驚いているだけなんだけど(笑)。
伊沢 あはは(笑)。でも、この番組って我々の心理的な背景みたいなものを山里さんとか杉山アナウンサーがフォローアップしてくれるじゃないですか? 僕、そこはこの番組のすごくいいところだと思っていて。

――それはどういう点でしょうか?
伊沢 今までのクイズ番組って、クイズ王たちを「コイツらはマジックが使えるんです」みたいに扱っていたというか、「ヤベえ奴がなんかわからんけどすごいことやってる」っていうファジーな感じにして面白さを出していたと思うんです。でも、この番組だと山里さんたちが「正解にいたるまでの背景」みたいなものをきちんと説明して、番組を面白くしてくださっている。それってクイズ番組として画期的というか、今までになかった形だなと思って。
山里 なるほどね。
伊沢 僕、今まではそういう「正解への道筋」みたいなものがあったとしても、自分の中に隠していたんですよ。でも、この番組ではそれを表に出していけるから、僕としては「うれしいな」と思っています。

クイズができる姿はかっこいい!
伊沢に感化される芸能人チーム

――4月から頼りがいのあった伊沢君が敵勢力に回りました。
山里 そう!

――山里さんの率直なお気持ちは?
山里 最悪ですね(キッパリ)。
一同 (爆笑)
山里 何より、ほかの東大王の子たちがみんなゲンナリしちゃったから(苦笑)。まぁでも、あいつらにもプライドがあるからね。特に、水上はすごい頑張ってるじゃない? あれは「伊沢がいなくなった瞬間に弱くなった」なんて言われたくないからだろうし。

――なるほど。
山里 最近の水上って、たまに神がかっている時あるもんね。「うわぁ、すげえなコイツ!」っていう。
伊沢 そうですね。今のアイツからは「俺が全部背負うんだ!」っていうのを感じます。
山里 ね、あるよね。
伊沢 あと、なんか昔よりブーたれなくなったというか。
山里 それはあるね(笑)。……あと、「ファイナルステージで伊沢が味方になるかも」っていうことが、芸能人チームのテンションをすごく上げてるんですよ。「なんとか伊沢を味方に引き入れたい」ってことで、1戦1戦を今まで以上に大切に戦うようになって。
伊沢 ありがたいです。
山里 あと、伊沢が芸能人側にいったことで、全体的なレベルも上がっているんですよ。というのは、伊沢が相手側の席に座っているということで、東大王チーム側に「いつ負けてもおかしくない」っていう空気が常に出てきちゃっているので。例えば早押しとかでも、伊沢がいるだけで「誤答してもいいから勝負しなきゃいけない」みたいな瞬間ができてしまう。それで勝負に行った東大王チームがポンポンと2人続けて誤答して、解答権が芸能人チームに行ったこともあるもんね。
伊沢 そうですね。
山里 そういう空気を作れるのは、やっぱ「すごいなあ!」っていう。
伊沢 いやあ、でもそう言っていただけるのはうれしいですね。……実は僕、「自分は立場的にどういうクイズをしたらいいんだろう?」っていうのをずっと考えていたんです。でも、最終的には「クイズを好きなようにやり、クイズについて好きなようにしゃべる」っていうところに落ち着いたかな、というか。
山里 うんうん。
伊沢 あと、「あまり考え過ぎないようにしよう」とは思っています。
山里 それは「このチームを背負ってく」とか「助けるため」みたいなことを……。
伊沢 そう。「ただただ一人でクイズをするんだ」みたいな。
山里 なるほど。じゃあ、今は「シンプルにクイズを楽しもう」っていう方に行っているんだ。
伊沢 そうですね。前はこう、なんかいろいろと考えちゃっていたんですけど……。
山里 でも、「ここでわざわざ俺を引き当てた意味は何なんだろう?」とか考えながらやると、楽しくないでしょ?
伊沢 そうですね。だから今は「何も考えずに楽しむ方に向かおうかな」とは思ってます。難しいですけどね。……まぁ、立場みたいなことを言うなら、東大王チームが一番難しいとは思いますけど。メンバーも多いし。
山里 確かにそうだよなぁ……。あと、ちょっと話が変わるかもしれないですけど、「どう考えても芸能人の方が絶対に有利じゃん」みたいな問題が多い時は、俺はプンスカするんですよ。「こんな問題ばかりなら、そりゃ東大王が負けるだろう」みたいな(苦笑)。
伊沢 山里さん、ホントに怒ってますものね(笑)。
山里 でも、東大王たちって、1回それで苦しめられたら、次に同じような問題が出たときに苦しまないようになってるんですよ。「苦手なタイプの問題でも、ちゃんと合わせに行くんだ」っていう。それがすげえなぁと思って。
伊沢 そうですね。
山里 ……正直言うとね、「みんな、無駄な勉強を増やしてゴメンね」とか思うんですよ。だって「憧れの芸能人の顔ランキング」なんてさ、そんなの知らなくてもいいじゃない。
一同 (爆笑)
山里 そんなもん一生見なくてもいいのに、「そういうのが出るかもしれない」と思ったら、ちゃんと勉強してくるし。
伊沢 「番組を毎回続けて観てほしいな」と思うのはそこですよね。欠かさず観ていると、芸能人チームも東大王チームも、できなかったことができるようになっているのがわかるので。そこが面白いなと。
山里 そうそう。山下真司さんなんかは最近、難読漢字がすげえ読めるようになっているし。
伊沢 すごいですよね。「最近は食事を見ると、全部漢字が思い浮かぶようになった」なんておっしゃってますし。
伊沢 「どれだけやっているんだろう?」と思って聞いてみたんですよ。そうしたら「毎日寝る前にやってるんだ」って。そういう風に僕よりも勉強をしている方って、たぶん芸能人チームにいっぱいいらっしゃって。
山里 でも、それは伊沢たちに感化されているんだと思うよ。やっぱね、この番組を観ていると「クイズできる姿は格好いいな」ってなるのよ。
伊沢 そうですね。
山里 スポーツで言うとさ、ボクシングとか見たらなんかこう急にシャドーをやり始めちゃうとかあるじゃない(笑)。それと同じで「俺も勉強すれば、あんなに格好よくなれるんだ」みたいなことを思われてくれる要素がいっぱいあるから。たぶん富永(美樹)さんなんかはそれに影響されてるんですよ。だって彼女、「勉強の仕方がエゲツない」とかよく言われてるもんね。
伊沢 エゲツないです! たまに「どうやってるの?」ってLINEが来たりします。
山里 あっ、そうなんだ。探ってくるなぁ。
伊沢 まぁ、僕が芸能人チームになってからですけどね(笑)。
山里 でも、ご飯とか行っている時もずーっとクイズの話だし。
伊沢 多分、富永さんが一番クイズの面白さにハマっているという(笑)。
山里 でも、彼女に限らず「クイズを成長したい!」と思っている人が多くて。
伊沢 ……ねえ(苦笑)。いやぁ、恐ろしいですね。


テレビに出られる運の良さに
感謝しなかったらダメになる

――伊沢さんは本格的なタレント活動を初めてまだ日が浅いわけですけど、この世界の先輩である山里さんに「タレント活動を続けていく上での質問」みたいなことってありますか?
伊沢 質問……。そうですね、山里さんを見ていて「体力がものすごいな」と思って(笑)。
山里 あはは(笑)。
伊沢 レギュラー番組が16本あって。で、この前の『水曜JUNK(山里亮太の不毛な議論)』(TBSラジオ)の「山里の日」なんか、一人でやってたじゃないですか?
山里 そう(苦笑)。全部一人でやってた。
伊沢 しかも、その合間に『天才はあきらめた』みたいな本も書かれていますし……。日々のルーティンがある中でクリエイティブな仕事もされているのって、肉体的・精神的にどういう使い分けをされているんだろうな、って思って。
山里 うーん、そこは別に……。でも、自分でも体力がある方な気はしてる。他の人からもよく「体力あるよね!」みたいなことは言われるし。
伊沢 ですよね。
山里 だから、生まれつきラッキーで体力があるだけかなあ。あと、仕事はどっちかと言うと楽しいから、別に精神的にも肉体的にも苦痛じゃないんで。だから、特に運動とかしているわけじゃないけど、「できてる」って感じ。
伊沢 いやぁ、でも見ていて「すごいな!」と思いますよ。
山里 まぁ、ライブやって朝まで打上げとかして、そのまま仕事に行ったりとかしてるもんね(笑)。
伊沢 あと、移動もすごいされてるじゃないですか? 「高知から」みたいなのとか(笑)。
山里 そうそう(笑)。でもまぁ、そうやってできるのは多分、どっかに感謝があるからよ。「こんなことをやらせてもらってありがたい」みたいな気持ちは常にあるから。その「ありがたい」の気持ちがでっかい限りは、「シンドい」みたいなことにはならないとは思う。
伊沢 なるほど。
山里 だって、こんなにテレビに出れるなんてさ、絶対に偶然だもん。むちゃくちゃ運良くできていることに対して感謝しなかったら、なんか人間的にすごくダメになっていくと思う。
伊沢 はい。
山里 たぶんそれかな。「ありがてぇな」と思っているから、そのための準備とかも苦じゃないしわけだし。「こんなありがたいことさせてもらっているのだから、そりゃ準備が必要だろ」みたいな。……まぁ、そんな感じかなあ。
伊沢 はい。ありがとうございます!

――逆に、山里さんから伊沢さんに対しての「先輩としてのアドバイス」みたいなものはありますか?
山里 伊沢にアドバイスっていうのは特に何もないかな。だって、自分自身で問題点を見つけて、自力で解決して……って成長してるんで。
伊沢 ありがとうございます。
山里 You Tubeのチャンネルもすごいもんね。で、あそこでクイズの解説をやってるのを見ると、もう神がかっているからさ。尺も全然気にならないし、「長いな」とも思わないし、「あっ、そんなのあったんだ!」っていう気づきもあるし……。だから「これでいい」と思うし、単純にその道を突き詰めていけばいいんじゃないかな。
伊沢 はい。
山里 だって今、クイズをエンターテイメントとしていろんな形で盛り上げていこうとしているのって、伊沢しかいないもんね。これは伊沢だけの道だもん。
伊沢 ありがとうございます。あと、個人的にはホントに「はみ出ないようにしたいな」と思っています。
山里 うんうん。それは大事。……あとはね、変な芸能人に騙されないように。
伊沢 気をつけます(笑)。
山里 やっぱ、寄ってくる奴はいるからね。それも、良からぬ奴が……。この世界は真面目にやるのが一番よ。
伊沢 それは先日の山里さんの結婚のご会見でもおっしゃってましたけど……。
山里 あはは(笑)。
伊沢 でも「ホントにそうだな」って、今のお話を聞いて思いました。

――最後に、お二人が考える『東大王』の新シリーズの見どころを教えてください。
伊沢 東大王チームはちょっとメンバーが入れ替わるわけですけど、それによって各自のポジションが変わっていって、与えられたポジションに応じてみんな成長していく、というのがあると思うんです。で、実はそれっていうのは芸能人チームも同じで……。だから、回ごとに変わっていくメンバーや芸能人の方々の姿に注目して見ていただけると、よりそこからクイズや皆さんの魅力が伝わるのかな、という風に思いますね。
山里 ……出演者の魅力ということでいうと、(鈴木)光ちゃんの芸能ネタの弱さからくる天然解答の面白さね(笑)。
伊沢 ここのところ連発してますからね。
山里 そうそう。で、顔真っ赤になるんだよね(笑)。
伊沢 はい。あれは面白いです(笑)。
山里 で、僕が思う見どころは、やっぱり「知力の壁」っていう部分ね。最近、その壁が「薄い」「低い」「脆い」だなんて、みんなにいろいろ言われるようになってきたから、そろそろ「この壁はいかにすごい壁なのか?」っていうのを見せつける時期に入ってきたんじゃないかなと。実際、今はメンバーが強くなって、その壁の厚みが増してきている感じがするんで。……東大王チームって、今日の収録で何連勝だっけ?
伊沢 7ですね。
山里 7か。今の東大王たちはそれだけ連勝を重ねて、ものすごい力を見せているじゃないですか。一方の伊沢の方も、今後より一層大きな壁になってくれる、そう育っていくと思うんで。だから、今が一番楽しい時ですよ。近いうちに、また最強の『東大王』が戻ってくるんじゃないですかね。

 

【プロフィール】
山里亮太 1977年、千葉県出身。関西大学文学部教育学科卒。2003年にお笑いコンビ・南海キャンディーズを結成。『密室謎解きバラエティ 脱出ゲームDERO!』『メイドインジャパン!』など数々の番組でMCを担当。主な著書に『天才はあきらめた』(朝日新聞出版)、『あのコの夢を見たんです。』(東京ニュース通信社)がある。

伊沢拓司 1994年、茨城県生まれ。東京大学経済学部卒。開成高校時代に『第30・31回高校生クイズ』で2連覇を達成。2017年より『東大王』にレギュラー出演する傍ら、ウェブメディア『QuizKnock』を立ち上げ、編集長、CEOを務める。主な著書に『勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』(KADOKAWA)がある。

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