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栄東高等学校が初優勝!『第16回エコノミクス甲子園』全国大会レポート

日本全国の高校生が金融知力を競い合う「マニュライフ生命カップ 第16回エコノミクス甲子園」(主催・認定NPO法人金融知力普及協会)。その全国大会が2月27日に開催された。優勝を勝ち取ったのは栄東高等学校(埼玉)。副賞としてニューヨーク・ボストン研修旅行を獲得した。
第16回エコノミクス甲子園

「エコノミクス甲子園」は、高校生に金融・経済にまつわる知識を楽しみながら学んでもらうという理念のもと、2007年から毎年開催されているクイズ選手権。
コロナウイルス流行への懸念から、昨年に引き続き今年度も全国大会はオンライン上での開催となった。今年度も人気クイズメディア・QuizKnockからこうちゃんが解説として参加し、難しい問題や用語について一般視聴者にもわかりやすく説明する大役を担った。
また、今回はコラボ企画として、高校生を対象にした「甲子園」と名が付く様々な大会からも問題を出題。参加したのは「商い甲子園」「キャリア甲子園」「ニュース・博識甲子園」「パソコン甲子園」「販売甲子園」「YouTube甲子園」「和牛甲子園」の7つの大会で、金融知力だけでなく普段からいかに情報のアンテナを張っているかが試される大会形式となった。
第16回エコノミクス甲子園

関連記事:北野高等学校が初出場で初優勝!! 『第14回エコノミクス甲子園』全国大会レポート(PART.2)

第1ラウンドから激しい接戦!

第1ラウンド・第2ラウンドは3チームによる「狙い撃ちクイズ」。
単独正解したチームは1ポイントを獲得すると同時に他の1チームから1ポイントを減らせるというルールとなっており、全5問で最多得点を獲得した1チームが次のラウンドに進む形式が取られた。
他チームに先行されてもいかに出し抜くか、その駆け引きが魅力の対戦形式だが、先行しているチームが高い金融知力を持っているのは当然。それだけに5問終了後にポイントがタイとなっているケースも多く見られ、先の読めない展開が繰り広げられた。

コラボ企画である様々な甲子園の問題がゲリラ的に出題されることもあり、激しいデッドヒートが繰り広げられた第1ラウンド。栄東高等学校は松山西中等教育学校(愛媛)、ラ・サール高等学校(鹿児島)と対戦。過去に本大会での優勝実績を持つラ・サールが相手だったが、栄東はなんとここで全問正解を達成。他校に妨害のチャンスを一切与えず、堂々とした実力を見せつけた。
第16回エコノミクス甲子園

関連記事:目指すは高校生トップ!白熱の『第4回ニュース・博識甲子園』レポート(前編)

手に汗握る攻防戦!

第2ラウンド、栄東は沖縄尚学高等学校(沖縄)・仙台二華高等学校(宮城)との試合を繰り広げた。ここでも栄東は4ポイントという高得点を達成。他校の追随を寄せ付けず、独走状態で準決勝へと駒を進めていく。

第2ラウンドで特に熱い戦いを繰り広げたのは、第3試合の藤島高等学校(福井)と駿台甲府高等学校(山梨)。他チームに先駆けて2ポイントを先取した駿台甲府だが、第4問で藤島に逆転のチャンスが訪れる。

人間の心理に働きかけ、行動変容を促す「ナッジ理論」を提唱し、2017年にノーベル経済学賞を受賞した人物は誰でしょう?

正解は「リチャード・セイラー」。
ここで単独正解した藤島が駿台甲府から1ポイントを減らし、どちらも持ち点は1ポイントずつのイーブンに。
運命の第5問では両校ともに正解して2ポイントとなり、大会前日に実施されたクイズの順位(事前順位)が高かった藤島が勝ち抜いた。藤島と駿台甲府は事前順位がたった1位差しかなく、その僅差が勝敗を分けた結果となった。

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駆け引きが加速する準決勝!

準決勝戦からはルールが変更され、1対1の「大株主クイズ」での対決に。
3つの会社の株(ひとつの会社につき5株)を相手チームと奪い合うルールで、正解することで相手の株を奪うことも可能。会社は持ち株が多いチームのものとなり、6問終了時点で保有する会社が多い側が勝利となる。
第1ラウンド・第2ラウンドのポイント争奪戦に加えて、どの会社の株を奪うのかという要素が加わり、より熱い駆け引きが楽しめるルールだ。
第16回エコノミクス甲子園栄東の対戦相手は名古屋大学教育学部附属高等学校(愛知)。
4問目ではマニュライフ生命がオフィシャルパートナーとなるプロバレーボールチーム・ヴォレアス北海道から越川優選手がゲストとして問題を出題した。

北海道のGNPにあたる道民総生産は最近の発表によると1733億ドル。次のうちGNPが最も北海道の数値に近い国・地域はどこでしょう?第16回エコノミクス甲子園正解は「ハンガリー」。
リードを許していた栄東がこれに正解し、名大附属の株を奪うと同時に2社を保有して逆転。5問目・6問目は両校ともに正解して、2社を保有したまま手放さなかった栄東がそのまま決勝へと勝ち抜いた。

もうひとつの準決勝戦となる藤島と金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校(石川)の対決では、金大附属が終始有利に試合を展開。危なげなく勝利を収め、準優勝にふさわしい強さを見せた。

関連記事:北野高等学校が初出場で初優勝!! 『第14回エコノミクス甲子園』全国大会レポート(PART.1)

英語も物ともしないハイレベルな決勝戦!

決勝戦に勝ち上がったのは、栄東と金大附属。決勝戦では「大株主クイズ」の問題数が10問に増え、準決勝戦よりも熾烈に互いの株を奪い合う激しい争奪戦となった。
第1問では昨年度に引き続き、マニュライフ生命取締役代表執行役社長兼CEOを務めるブノワ・メスレ氏が出題者を務め、英語の問題が出題された。

What is the term used to describe indicator of the financial help off the life return to the company,does show the capacity to be out for risks that exceed no more expectations?
(保険会社に通常の予想を超えたリスクに対する支払い余力がどれだけあるかを判断する指標を意味する単語はどれでしょうか?)
第16回エコノミクス甲子園正解は「solvency margin ratio(ソルベンシー・マージン比率)」。
問題文が画面に表示されないリスニング問題となっており、高校生にとってはかなり難しい英文であるはずだが、なんと両校ともにこれに正解。決勝戦に残るにふさわしい金融知力とグローバル力を見せた選手たちに、運営スタッフも思わず拍手を送った。第16回エコノミクス甲子園第6問が終わった時点で、栄東が6株に対して金大附属が7株と、金大附属が有利な状況に。しかし第7問で栄東が巻き返しを図った。

リニア中央新幹線などのように、政策上の必要性が高いものの民間の投資だけでは十分な資金を集めにくい大型事業に対して、政府が長期間、低金利でお金を貸す仕組みを何というでしょう?

正解は「財政投融資」で、栄東が単独正解。
ここで栄東が金大附属から株を奪ったことで、株の保有状況が逆転。続いての8問目は両校共に正解して状況は動かず。そして9問目で決定的な盤面を迎える。

景気の過熱を抑えるために、中央銀行が量的緩和政策で購入する金融資産の買い入れ額を少しずつ減らしていく出口戦略のことを、「徐々に細くする」という意味の英語から何というでしょう?

正解は「テーパリング」で、栄東がさらに株を奪って3社全てを保有。9問目にして栄東の勝利が確定した。第16回エコノミクス甲子園


全国制覇を成し遂げたのは栄東の稲葉琉晟、佐々木遼ペア。
稲葉君はまだ1年生ながら栄東中高クイズ研究部の部長を務めており、「第41回高校生クイズ全国大会」への出場経験のほか、「第4回ニュース・博識甲子園」4位、「世界遺産クイズグランプリ」3位の受賞歴を持つ実力者。
同じくクイズ研究部の先輩である佐々木君は昨年度の「第15回エコノミクス甲子園」予選に出場しており、埼玉予選2位の雪辱を見事に濯いだ。中学生の頃に「日経未来投資プログラム」で株を購入した経験もあるとのことで、納得の金融知力を見せてくれた。

『マニュライフ生命カップ 第16回エコノミクス甲子園』

優 勝:栄東高等学校
準優勝:金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校
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