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『東大王』遂に鈴木光&ジャスコ林が卒業!10連勝をかけた戦いの行方

東大王鈴木光 公式twitterアカウント(@tanukikaitaiyo)より

ついにこの日がやってきた。3月24日放送の『東大王』をもって、鈴木光とジャスコ林が番組を卒業。鈴木光は最後のテレビ出演となる。10連勝をかけた芸能人チームとの戦いのあとは、東大王メンバーとの送別早押しマッチが待っていた。

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超難問!「好きなYouTuberランキング」

今回のバトルは5ステージ制。1stステージは「ランキングエックス」。2回戦を終えて東大王チームが200P近くリードしたあと、3回戦の「好きなYouTuberランキング」が文字通りの“超難問”だった。

両チームが解答した「はじめしゃちょー」「パパラピーズ」「東海オンエア」といった有名YouTuberが軒並みランク外。ジャスコ林が「言うならこれだな」とコールした「QuizKnock」も不正解となり、控え席の伊沢拓司は「『出すなよ』と思ってたのに!」と渋い顔(スタジオは大爆笑)。このクイズ、アンケート対象が「10〜50代の男女1000人」なので幅広い層に届かないとランクインしないのだ。

結局正解は芸能人チームが答えたHIKAKIN(9位)と江頭2:50(1位)のみで、このステージは9Pのみ獲得。4回戦「漢字1文字の名字の人口」は芸能人チームが自滅し、このステージは東大王チームの勝利となった。

2ndステージは「難問オセロ Ver2.0」。最近は「小学生で習う漢字」の問題が続いたが、今回は久々に「春にまつわる漢字」という難読問題。芸能人チームが「喇叭水仙(らっぱすいせん)」で4人脱落する波乱の幕開けだったが、後半になると東大王チームにミスが出始め、「土当帰」で砂川とジャスコが連続失格。伊藤七海1人が残ってしまう。

この状況で思い出すのは、2月10日放送回で見せた、たった1人きりでの9問連続正解。「土当帰(うど)」を当て、残りは6マス。その後「覆盆子(イチゴ)」を読み、角の筆記問題「あくび(欠伸)」を書き、残り2マス。「黄道眉」を読めれば逆転という場面だったが……解答した「あおむし」は不正解。東大王チーム全滅により、2ndステージは芸能人チームが勝利した(黄道眉の読みは「ほおじろ」)

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サムネイルを攻め続ける鈴木光、内閣総理大臣補佐官を取り返すジャスコ

3rdステージは「YouTubeサムネイルクイズ」。開始前に鈴木光は「守る人と攻める人の2パターンあると思うんですけど、そこはヒントを見ながら調整できたらと思います」とコメント。しかし始まってみると、鈴木光は6問中3問で早書き1位を達成するほど、ずっと攻め続けていた。

しかし伊沢と鶴崎修功も負けてはいない。5問目の偉人問題では、1枚目の「東京大学医学部に合格」だけで「森鴎外」を正解し1位2位を固める。最後は鈴木光&岡本沙紀の筑波大学附属高校コンビが1位2位を獲得して、このステージは東大王チームが逆転勝利を決めた。

4thステージは「熟語陣取り合戦」。1回戦は紀野紗良が取った「大英博物館」を、芸能人チームNON STYLE井上が「鉄道博物館」で返すファインプレー。着実に白マスを取りながらリードを広げる芸能人チームに対し、逆転のロングワードを探す東大王チームだが、なかなかうまく決まらない。結果9枚差で1回戦を折り返す。

2回戦はサーヤが取った「内閣総理大臣」をジャスコ林が「内閣総理大臣補佐官」で返し、「無理数」「三角関数」「連立方程式」と数学関連のワードを取って東大王チームがリード。しかし差は広がらず、1回戦とのポイント総計で芸能人チームの勝ちとなった。

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卒業する相手でも、本気で戦うことが礼儀

今回は3ステージを取ればファイナルでライフ+1だったが、両チームとも2勝2敗でライフボーナスはなし。伊沢獲得チャンスもないので、富永美樹がカードを引くこともなかった。

ファイナルステージは1対1の「超難問早押しバトル」。トップバッターのジャスコ林は、「今日は集大成を見せて悔いなく終わりたい」とボタンに向かう。FUJIWARAの2人を抜き、3人目は愛花。「自然現象の名称」を答える問題で、出題VTRが流れて直ぐに愛花が押した。雪が積もる陸と、白く濁る海岸線。このヒントで導いた「群来(くき)」は見事正解! 愛花は2017年の『高校生クイズ』で、岡本沙紀&猪俣大輝とともに全国大会を戦った実力者。伊沢も「凄い!」と感心する押しで、ジャスコの1対1早押しは終わった。

東大王チーム2人目は猪俣。愛花を破りジャスコのかたきを取り、2人抜くも、ひらめき問題でサーヤに敗れてしまう。東大王チーム3人目は鈴木光。絵画問題でサーヤを、城問題で中間淳太を、ひらめき問題でNON STYLE井上を撃破するも、続くアンミカ戦で敗退。目を潤ませながら、最後の1対1早押しを噛みしめる。

東大王チーム4人目の砂川もアンミカに敗れ、遂に東大王チームは大将の鶴崎が出陣するまでに追い込まれる。10連勝まであと4人。アンミカ戦の絵画問題をギリギリで切り抜け、宮川一朗太戦では「オードリー・タン」の名前をなんとか絞り出す。10連勝の重圧を感じるのか、表情にも余裕がない。

芸能人チームは残り2人。11人目の富永での出題は「ホテルがある都道府県は?」。下から徐々にオープンする画像。金色の天井が見えたところで、富永が力強く押した。解答は「和歌山県」。しばらくの沈黙。そして……正解音。

その瞬間、富永も伊沢もガッツポーズをした。10連勝がかかっても、2人が卒業するとしても、手を抜いては気持ちよく送り出せない。本気で戦うことが彼らなりの礼儀だ。芸能人チームが100万円を獲得し、東大王チームの連勝は9でストップ。鈴木光とジャスコ林の戦いは終わり、最後は東大王メンバーとの「卒業早押しマッチ」が行われる。

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「一生分の思い出をありがとうございました」

「卒業早押しマッチ」は、ジャスコ林&鈴木光&東大王メンバーの3人で行う、1問だけの早押しクイズ。1人目の猪俣ではピアノ問題が出題され、鈴木光が「卒業(尾崎豊)」を正解。クイズを終えたあと、それぞれ言葉をかける場面で、早くも鈴木光は感極まってしまう。芸能人チームの席では、富永や中間も涙を流している姿が。

涙涙の卒業早押しマッチは、伊藤、岡本、紀野と続く。同じ女性陣として、鈴木光を笑顔で送り出す岡本と、涙がこらえきれない紀野。追いかけ続けた先輩の背中が見えなくなり、今度は後輩に背中を見せるときがくる。

次は正規メンバー。砂川は早押しをしっかりと正解して2人を送り出す。最後は大将の鶴崎。鶴崎はひらめきが必要な漢字問題を正解し、2人への贈る言葉を口にする。

「クイズは混沌の競技だと思っていて。あなたたちがやった対策も、正直意味が分からない。たとえば、年号を言ったらその年の雑学を言うとか、地元の人しか知らないようなお祭りを当てるとか、それに地球の画像で世界遺産の名前を当てるとか、そんなものは今後の人生できっともう一度も役に立たない」

ではなぜ、そんな混沌のなかを一緒にやってこれたのか。

「やっぱり、その混沌としたクイズ自体を愛していたからであろうと思っているんですね。その愛は(東大王を)辞めても、恐らくあなたたちは、消えることはないだろうと僕は確信しています。卒業したら、クイズを、知識を楽しむ権利だけが残った状態になる。それは非常に輝かしいことだと思う」

これから自分の道を進む2人には、その輝かしさを持っていてほしい。そして「我々はもう少しだけこの混沌に付き合うので」と、鶴崎は贈る言葉を締める。

東大王メンバーとの卒業早押しマッチはこれで終了。でもまだ、2人と長い時間を過ごした男がある。伊沢拓司だ。「楽しんで、せっかくだから」と2人に声をかけ、笑顔で台に手をかける。「楽しみたいです」と声を詰まらせる鈴木光。「この1問を大事に噛みしめたい」とジャスコ。出題は……英語の国名しりとり。4年前、東大王入れ替え戦で鈴木光が伊沢を破った1問と同じ形式だ。画面には「Brazil→L??→??y→Yemen」の文字。ランプが点いたのは……伊沢だった。

伊沢はカラッとした声で「レバノン、ノルウェー(Lebanon→Norway)」を正解し、あの日の借りを返す。伊沢が2人に贈った言葉の共通点は「逃げなかった」だった。対策をしても結果に結びつきづらいプレイスタイルの、不器用なジャスコ。人ができない量の努力をしながら、人に優しく接してきた鈴木光。泣き言を言わず、逃げなかった2人にエールを送る伊沢。「これからも伝説であり続けてください」という言葉で、2人を送り出した。

最後の挨拶。ジャスコは自身を「ホームランか三振かの大味なバッター」と評し、それでも2年間愛し続けくれた皆に感謝の言葉を述べる。鈴木光は「こんなに長い間みなさんに見守ってもらえるとは思ってなくて」と切り出し、メンバー、MC、共演者、スタッフ、そして視聴者からの温かい言葉に支えられたことを泣きながら語った。

「たくさんの温かい気持ちと、支えを知ることができた4年間だったと思います。一生分の思い出をありがとうございました」

MCのヒロミも涙を見せ、うまく言葉が出てこない。その横で、進行の役目を果たす山里亮太。番組終了かと思いきや「ここで重大発表が」と言い出す。この流れでヒロミから発表する予定が、気持ちの整理のために少し待ち、改めて重大発表……!

「一度、東大王を白紙に戻したいと思います」

東大王を強くするために、Paraviの「東大王プロジェクト」のメンバーも交えて、再び東大王決定戦をやるという……! 「卒業しておけばよかったな」とぼやく鶴崎。4月から、波乱の新シーズンがはじまる。


『東大王』(2021年3月24日放送)
司会:ヒロミ、山里亮太
東大王チーム:鶴崎修功、鈴木光、林輝幸、砂川信哉、紀野紗良、岡本沙紀、伊藤七海、猪俣大輝
芸能人チーム:伊沢拓司、あばれる君、アンミカ、井上裕介(NON STYLE)、愛花、サーヤ(ラランド)、富永美樹、中間淳太(ジャニーズWEST)、FUJIWARA(藤本敏史、原西孝幸)、宮川一朗太、山下真司

【ライタープロフィール】

井上マサキ
路線図マニアでテレビっ子のライター。『99人の壁』でグランドスラム達成(ジャンル「路線図」)。著書に『たのしい路線図』。宮城県出身。二児の父。

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