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『東大王』なぜわざわざ難問を選んで間違えたのか?東大王・鶴崎の奥深き「戦略」

『東大王』なぜわざわざ難問を選んで間違えたのか?東大王・鶴崎の奥深き「戦略」

水上颯公式twitterアカウント(@sou_mizukami)より

6月13日に放送された東大王(TBS系列)。4月から新生東大王チームとなり、3連勝で迎えた今回。「12アンサーズ」「難問オセロ」「全員一斉早押し」の3ステージで東大王チームと芸能人チームがぶつかり合う。

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肉を切らせて骨を断つ、鶴崎修功の戦略

意味が無いように見えた一手に、実は深い戦略が潜んでいることがある。1stステージ「12アンサーズ」の2回戦の鶴崎修功がまさにそうだった。

「12アンサーズ」は数字が答えになる10問のクイズが用意され、解答者自らが問題を選んで答える。2回戦が始まってすぐ、鶴崎は「本田圭佑がワールドカップ本戦で決めたゴール数○点」を選び不正解となったのだ。不正解になると相手チームに解答権が移って不利になる。まだ簡単な問題も残っているのに、なぜわざわざ難しい問題を……?

ステージ終了後、鶴崎にこのことを聞いてみると「この問題が自分たちにとって難易度が一番高い」のは認めたうえで、「これをつぶせば自分たちだけがわかる確率が上がる」と話す。東大王チームはわかり、芸能人チームが間違えそうな問題が残っている段階で、先に自分たちの弱点をつぶそうという目論見だった。これには解説席の伊沢拓司も「すばらしい戦略」と感嘆する。

2ndステージは、前回東大王がわずか7手で負けてしまった「難問オセロ」。今回も芸能人チームが健闘し、「オセ朗太」こと宮川一朗太の指揮で東大王を敗北へ追い込む。特に山下真司は「雪花菜(おから)」「彌猴桃(キウイ)」を正解し大健闘。番組出演当初はインテリ枠ではなかったのだが、67歳にして漢字を猛勉強し、今や立派な戦力だ。One for all, All for oneの精神である。

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なぜお侍ちゃんは東大王より先に答えられたのか?

1勝1敗で迎えたファイナルステージ。芸能人チームは伊沢獲得チャンスに失敗し、助っ人無しでの挑戦に。「ちゃちゃっとやっつけちゃおうよ」というヒロミの言葉に、「瞬殺したいですね」と返す大将の水上颯。その言葉通り水上はあっという間に2問先取し、MC陣から「本気出しちゃったもんね~」「有言実行だな~」と讃えられていた。

そこに一矢報いたのは、最終学歴が「四谷の寺子屋」のお侍ちゃんだった(本当は上智大学理工学部卒)。「日本地図が表すものを答えなさい」という問題で、地図上に「東京都」や「神戸市」が次々と示される。ランプがついたのはお侍ちゃん。「ラグビーワールドカップの会場」という解答に、小さな声で「失敗した」とつぶやき顔をしかめる水上。正解音に芸能人チームが色めき立つ。

この問題のポイントは、大都市に混じってラグビーの街「岩手県釜石市」が入っていること。実はお侍ちゃんは岩手県盛岡市出身で、趣味はラグビー観戦。ラストサムライに運も味方したのだった。

しかし、この後も東大王チームがリード。「瞬殺宣言」の通り、水上が1人で5ポイント中4ポイントを正解する活躍を見せ、東大王チームが4連勝を達成した。

なお、番組最後には東大王チームの「ハワイ修学旅行 9月放送決定」の告知が。真っ黒に日焼けしてスタジオに登場したらFUJIWARA・藤本敏史にめちゃくちゃイジられるだろうな、などと想像した方も多いだろう。

『東大王』(2019年6月13日放送)
司会:ヒロミ、山里亮太
東大王チーム:水上颯、鶴崎修功、鈴木光、林輝幸、紀野紗良、砂川信哉
芸能人チーム:富永美樹、安東弘樹、お侍ちゃん、北原里英、藤本敏史(FUJIWARA)、馬場典子、原西孝幸(FUJIWARA)、真壁刀義、松尾依里佳、宮川一朗太、向井慧(パンサー)、山下真司


【ライタープロフィール】
井上マサキ
路線図マニアでテレビっ子のライター。『99人の壁』でグランドスラム達成(ジャンル「路線図」)。著書に『たのしい路線図』。宮城県出身。二児の父。

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