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REPORT

QUIZ JAPAN vol.9

東大王・伊沢拓司も絶賛! 舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』レポート

2018年5月4日〜9日、全労済ホール/スペース・ゼロにて舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』が上演された。
QUIZ JAPANでは4月、上演に先駆けて脚本・演出の大歳倫弘(ヨーロッパ企画)、西井幸人(越山識役)、鈴木絢音(深見真理役)、小澤亮太(笹島学人役)、中村嘉惟人(御来屋千智役)、吉田尚記(新名匠役)の6名にインタビューし、それぞれがこの舞台にかける熱い思いを聞いてきた。
QUIZ JAPAN – 舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』の稽古場を取材! 西井幸人、鈴木絢音ほかメインキャスト&脚本・演出インタビュー

今回は、5月7日の公演(マチネ)と、その終演後に行われた吉田尚記、杉基イクラ、伊沢拓司によるアフタートークの模様をお届けする。
(掲載写真は、アフタートークを除きすべてゲネプロにて撮影されたもの)

演劇に「競技クイズ」という新たなジャンルが加わった、クイズファンにとっては夢のような時間。
舞台が幕を開けると、部活動勧誘のシーンから始まった。文蔵高校クイズ研究会の会長を務める笹島学人が、新入生の越山識に「クイズとは何?」と問いかけるお馴染みのセリフのほか、客席に降りて観客に100問ペーパークイズの用紙を配布するなど、客席を巻き込んだ演出もあり、一気にその世界へと引き込まれる。

学人の勧誘で初めて「クイズ研究会」の存在を知った識は、クイズ経験者のクラスメイト・深見真理に手を引かれ、部活動勧誘会でのクイズ大会に参加することになってしまう。早押しボタンの前につくと、金色のジャケットに身を包んだ学人渾身の「ニューヨークへ行きたいかー!」で、空気は一変。耳に手を当て、次々と答えていく真理。識はそんな真理の姿を見ながら、少しずつ競技クイズのコツを掴んでいき、最終問題では見事正解を勝ち取った。その後、同じくクラスメイトの井上大将とともに赤河田高校での新入生大会に参加させられ、そこでの体験からふたりでクイズ研究会に入会する。
キャラクターそれぞれにある背景と個性、競技クイズの基本を丁寧に描きながら、赤河田例会を経て毎年夏に行われるU-18のクイズ大会「SQUARE」までがテンポよく演じられた。

注目の「脚本無視のガチクイズ対決」は、終盤、SQUARE予選前に識が<SQUARE決勝戦>をイメージするシーンで行われた。ここまでは演出上、コードのない特殊な早押しボタンが使用されていたが、ここで用意された早押しボタンは判定機にコードがつながっている。正真正銘のガチバトルだ。ルールは連答ボーナスつきの7◯3×。
今回の出場は識、真理、深見誠司、上月由貴、芦屋洋介の5名。各メンバーにセコンドとして由貴には大蔵邦光、芦屋には町田勇太、識には御来屋千智、真理には井上、誠司には学人がつき、得点表示などをサポートする。

ボタンチェックを終え、1問目の「現在は春と秋にフジテレビ系列で放送されるドラマ『世にも奇妙な物語』で、ストーリーテ/」には誠司が「タモリ」で正解。2問目も誠司が連続正解した。「英語で歯医者さんのことをデンティ/ストといいますが、お医者さんのことは英語で何というでしょう?」(正解:ドクター)では識が見事にパラレルを読み正解するなど、白熱した戦いが繰り広げられた。
全員が1◯以上は獲得したが、その中で圧倒的な押しの強さを見せたのは誠司。12問目で7◯に達し、優勝した。ウイニングアンサーは「おむつのブランドで、ムーニーを販売しているのはユニ・チャーム/ですが、パンパースを販売しているメーカーはどこでしょう?」(正解:P&G)。

脚本無視=筋書きがないとはいえ、この舞台上にはそれぞれのキャラクターが生きている。優勝した誠司は、開城学園高校2年。相手チームの得意問題で解答権を与えないためにダイブを強いられた経験によって、クイズから遠ざかっていた過去を持つ。そんな誠司が「長い間クイズは大嫌いだったんですけど、続けてやってもいいかな」と勝利のコメントを口にすると、開城学園高校クイ研部長の大蔵が「本当か誠司! 一緒にクイズをやろう!」と応えて大きな拍手に包まれる一幕もあった。

そして、識のイメージ<SQUARE決勝戦>から現実<SQUARE予選前>に戻ると、ガチクイズバトルの結果を受けたシナリオが展開される。舞台上に全キャラクターが再び登場し、予選が始まったところで公演は幕を下ろした。

約2時間の上演。そこにクイズの魅力がすべて詰め込まれ、「クイズ演劇」の未来への期待感が募るステージとなっていた。

まず印象的だったのは、各登場人物のキャラクター性。学人でいえば、原作における熱さはそのままに、よりコミカルなキャラクターになっている。井上は、ボタンチェック後の拍手を初めて目にしたときには「これ何の拍手!?」と驚きを見せ、クイズ初心者の気持ちを代弁し共感させる役割を持つ。舞台オリジナルキャラクターの赤河田高校1年・町田は、実力のわりにかなりの自信家というクセが強いキャラクターで、町田の発言には終始笑いが起きていた。
今回唯一のWキャストとなっている赤河田高校クイズ研究部部長・新名匠は、大会の進行や問読みを務めるシーンが多い。抑揚をつけたり言葉を強調したりして問題文の続きを示唆するなど、競技クイズでは問読みが重要で、新名役は『高校生クイズ』全国大会出場経験もあるクイズ好きアナウンサー・吉田尚記と、声優の帆世雄一によって演じられた。

スクリーンを使った演出も印象に残った。何という問題が出題されたのか? なぜこのタイミングでボタンを押すのか? なぜこの解答に至ったのか? ……クイズプレイヤーたちの思考やクイズ界では常識となっていることが、緻密に組み上げられたシナリオとスクリーンに表示されたテロップによって、丁寧に解説されていくのだ。クイズ初心者でも終盤の「ガチクイズ対決」の楽しみ方がわかるように、ストーリーが進むにつれ、観客の脳内にそのベースとなる知識が築かれていった。
大会シーンでは、出場者名のテロップや得点も表示される。クイズ番組とクイズ大会が融合したようなその独特の空気には高揚感があり、クイズ経験者も未経験者も一緒になって楽しむことができていたはずだ。
クイズ、舞台、出演者。そのどこから入っても楽しめる新たなエンターテイメントになっていたことは間違いない。

今回のアフタートークは、帆世とWキャストで新名役を演じた吉田尚記がMCを務め、『ナナマルサンバツ』原作・杉基イクラと東大生クイズ王・伊沢拓司を迎えて行われた。

まずは「感想があふれてくるのにセリフ以外のことは喋れないという本番中のストレスを、全てここにぶつけるつもりで来ました」とMCの吉田が登場。自身のクイズ歴を紹介したあと「クイズを本気でやったことがあるという方?」と客席に問うと、ちらほらと手が挙がる。観客のほとんどがクイズ未経験と思われるが、「クイズをやりたくなりましたか?」という言葉には大きな拍手が起こった。

ゲストの杉基と伊沢が呼び込まれると、さっそく二人の目線から『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』が語られた。「まさかここまでクイズと舞台が融合するとは思っていなかった」(杉基)と、原作者の想像も超える内容になっていたことがわかる。自身も中学生時代から競技クイズに挑戦し続けてきた伊沢も、「原作はクイズをやっていて直面する問題や壁も含めてすごくリアルに描かれています。舞台では自分が過去に体験していたことがまた目の前に現れたような感覚があり、少し懐かしくすら思えました。ライブコメンタリーを入れたいぐらいです」とコメント。

「クイズはスポーツ観戦と一緒で、競技そのものの魅力もさることながら、競技者が魅力的だから好きになると思うんです」と話す杉基は、『ナナマル サンバツ』のために競技クイズの現場の取材を続け、現役中学生・高校生のリアルな声を聞いてきた。伊沢はそこで取材をしたうちの一人で、その成長を「親のように見守ってきた」そうだ。伊沢は「あのときは『ついにクイズに注目してもらえるようになった』と思いました」と当時を振り返る。

伊沢が東大王チームとしてレギュラー出演している『東大王』については、伊沢から「(東大王チームは)みんな変わり者なので、一緒にいて『えっ、マジ!?』と思うことがたくさんあります。焼肉屋さんって、タレの横にレモン汁が置いてあるじゃないですか。一度も焼肉を食べに行ったことがなかったメンバーがいて、あれは何なのかって僕に聞いてきたんです」と東大王たちの意外な一面が明かされ、このエピソードには吉田も「それってクイズ王がする質問!?」と驚く。東大王でも知らないことがあるからこそ、未経験者とクイズ王の対決でも番狂わせが起きる。

また、“クイズのいいところ”として「自然と解答者へのリスペクトが生まれること」が挙がり、「他人の“間違い”は覚えていないんですけど、他人の“正解”ってすごく覚えているんですよね」と吉田。伊沢も過去の戦いのことをよく覚えているそうで、「クイズは対戦相手の長所を見つけられますし、人間関係がクイズを面白くしている部分もあると思います」と話す。

アフタートークもあっという間に終了の時間が迫り、最後にゲストからメッセージが送られた。

「ライブエンターテイメントの要素が強いクイズですが、舞台で生のクイズが見られるというのは今までになかった取り組みです。クイズにはいろいろな入口があるので、この舞台をきっかけに新たな一歩を踏み出してもらえればと思っています」(伊沢)

「クイズと舞台の融合というのはすごく画期的なアイデアで、今回の上演だけで終わってしまうのはとてももったいないと感じます。アンコール公演や地方公演ができるように応援してもらえたらと思います」(杉基)

そのメッセージを受け、吉田が「まだ(上演は)終わっていないけど、もう一度この舞台をやりたい!」と宣言して締めくくった。

現在、東映ビデオオンラインショップ(https://www.toei-video.co.jp/special/7o3x-stage/)にて、2018年10月3日発売の『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』公演DVDを予約受付中。本編のほか、ボーナスディスクには顔合わせ・稽古場風景や5月8日公演アフタートーク、千穐楽カーテンコールが収録される。

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