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『世にも奇妙な物語』プロデューサー・永井麗子インタビュー

『世にも奇妙な物語』プロデューサー・永井麗子インタビュー
『世にも奇妙な物語』プロデューサー
永井 麗子 Reiko Nagai
1978年、京都府生まれ。2001年に共同テレビ入社、ドラマ制作に配属。2005年春に『世にも奇妙な物語』でプロデューサーデビュー。その後、『ジョーカー 許されざる捜査官』『スクール!!』『謎解きはディナーのあとで』『しんがり 山一證券 最後の聖戦』をプロデュース。現在はCX10月クール日曜21時の連続ドラマを制作中。

2016年5月28日に『世にも奇妙な物語』の一本として放送されて話題を呼んだ『クイズのおっさん』。高橋一生演じるクイズマニアが、クイズ番組に優勝した副賞としてもらったのは、なんと1年分のクイズを出題する「おっさん」(松重豊)だった。そんなシュールな設定ながら、意外な方向に展開するドラマは、ネット上で大反響を巻き起こした。いったい、この作品には作り手のどのような想いが込められていたのだろうか?

『クイズのおっさん』は、リストラされた哀しみを感じる二人の友情の物語

——「クイズのおっさん」は竹本友二さんの短編漫画が原作ですが、そもそもこの作品を「世にも奇妙な物語」で映像化することになったのはなぜなのでしょうか。経緯を教えてください。
永井 2013年に竹本友二さんの別の作品を「世にも奇妙な物語」で映像化(プロデューサーは別ですが)させていただいた経緯の中で、「クイズのおっさん」は『世にも奇妙な物語』制作チームの中で話題にあがっていました。ただ、この原作の持ち味を映像にするには、奇妙という番組の枠組み的には話が短すぎるのではないかとか、奇妙な展開が少ないのではないか、という懸念もあって皆二の足を踏んでいたようです。私が初めて読まさせていただいたときも、一度は同じような感想を持ったのですが、監督と話して、物語の最後に友情話に終結する話の流れが秀逸でしたので、むしろ奇妙っぽさを無理に足さずに原作の良さを最大限いかしたシュールで始まり、感動へと昇華する作品にしようと決めました。
『世にも奇妙な物語』プロデューサー・永井麗a子インタビュー
——原作をドラマ化するにあたって、注意した点や難しかった点などを具体的に教えてください。
永井 原作はずっと主人公の部屋の中で展開される短いストーリーでしたので、主人公の外の世界(会社や恋模様など)をつくりだすのが楽しくも難しい作業でした。原作の良さを壊さない世界観にしないといけないと思いましたので。また、おっさんが外に出てくるとき、周りの人はどんな反応をするのか、しないのかとか。『世にも奇妙な物語』の感覚だけでいうと、おっさんを奇妙な世界の存在にして、主人公を振り回す形に話を作りがちなのですが、今回は「もしこういう職業(クイズ番組で優勝した人にクイズを出し続ける人)が本当にあったとしたら?」という設定で、きっとおっさんは、リストラされて仕方なくこの仕事についたに違いない、とかバックボーンは監督と掘り下げてつくりました。お互い人生の哀しみを感じている二人が出会って、クイズを介して友情を育んでいく過程を意識しましたし、それがみなさんの心に響いたのではないかと思います。

——クイズ王をモチーフにしたドラマということで、苦労された点や参考にされた番組などはありましたか?
永井 特に苦労したということはありません。ただ冒頭とラストのクイズ番組のシーンは、やはり説得力がほしかったので、実際にはないけど、どこかで見たようなクイズ番組・・・というのを意識しています。福澤朗さんに出て頂けたのも大きいですね。クイズ番組の「ホンモノ感」をすごく立たせてくださったと感じています。

——弊誌「QUIZ JAPAN」編集部にもご連絡をいただき、資料提供をさせていただきました。小道具など細部にもこだわられていたように思いましたが、いかがですか?
永井 資料提供していただき、ありがとうございました! 細部にもこだわっていると、クイズの専門家の方から言っていただけるのは嬉しいことです。美術部さんが楽しんで、クイズが好きだけど冴えない主人公の部屋のイメージを考えて、随所に遊びを入れてくれています。是非、視聴者の方にも何度も見てチェックしていただければと思います。

——キャスティングについて。高橋一生さんと松重豊さんをキャスティングされた理由や、お二人の役作り、撮影時の様子などを教えてください。
永井 松重豊さんの一見怖いようで、可愛らしい佇まいと、必ず私と監督の求めている哀愁を表現してくださるという信頼感でこの役をお願いしました。衣裳もこの番組のためにつくりましたが、本当にぴったりで驚きました。高橋一生さんは、30歳をすぎているのにピュアで冴えない感じを無理なく表現できる方で、監督が「高橋さんがイメージだ」と言った一言で決まりました。
お二人とも、とてもプロフェッショナルな方たちですので、現場のリハーサルで周りがいくら笑っていても、淡々と自分の中でお芝居の確認をされていて、このお二人に演じて頂けたことで、台本の何倍も良い作品にしていただけたと感じています。お風呂のシーンではさすがにご本人たちも笑ってましたが。
あと、松重さんの紙吹雪の撒き方が絶妙で、なかなか紙吹雪を撒くタイミングや場所など難しいと思うのですが、松重さんはいつも完璧でした。

——劇中のクイズ番組の司会者に福澤朗さんがキャスティングされていたのも、うれしいサプライズでした。福澤さんをキャスティングされた理由や撮影時のエピソードなどを教えてください。
永井 クイズ番組の司会者が出てくるとわかった段階で、みんな当然のように福澤さんをキャスティングしたいと考えていました。後で知ったことですが、福澤さんはアナウンサーになる前は、俳優の養成所に通ってらしたとのことで、現場でもとても安心感がありました。クイズ番組の撮影が始まると、本当に福澤さんの独壇場で、やはりオーラがありましたね。出演者はじめ、観客できていたエキストラさんもおかげさまで本当のクイズ番組に出ている気持ちになったと思います。

——「クイズができても仕事や就職の役には立たない」というお話の展開は、クイズファンにはなかなか耳が痛いものがありました。お話については、どのような狙いがあったのでしょうか?
永井 クイズファンの方を批判するつもりはもちろんありません。高橋一生さん演じる主人公を追い込んで、松重さん演じるクイズのおっさんに、「倒れても倒れても立ち上がることである」が解となるクイズを出させて主人公を励ますための流れの中で、クイズを愛する主人公を追い込む強烈な一言ということでつくったセリフです。

——お風呂のシーンや衝撃のラストシーンなど、高橋一生さんと松重豊さんの心の交流には放送後、ネット上ではものすごく話題になりましたが、反響はいかがでしたか?
永井 予想以上の反響でした。私はこの回の『世にも奇妙な物語』のすべてを担当していましたので、『クイズのおっさん』が良かったと言われ過ぎて複雑な気分になるほどでした(笑)。現場で見ていても、別れのシーンでは泣きそうでしたし、高橋一生さんがラストに「嫉妬」するシーンでは、おかしくも切ない気持ちになりました。私たち的には2人の関係性を寂しい者同士の友情という意味でつくっていて、BLというつもりはありませんでしたが、こんなに盛り上がるものなのかと驚くほどでした。ただ、これほど2人の心の交流に反響があるということは、多かれ少なかれ、みんな同じことで楽しみ、落ち込んだときは叱ったり、励ましあえる、【分かり合える相手や関係】というのを強く求めているのだな、と実感しました。テレビを見るタイミングもまちまちになった現代において、今回のようにオンエア直後から大きな反響をいただけるのは本当に幸せなことでした。ありがとうございました!%e5%8f%af%e8%83%bdp00002128808

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