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クイズの頂上決戦、みたび開催!『KnockOut ~競技クイズ日本一決定戦~』第3回予選会レポート

4月21日(土)、東京都目黒区の中小企業センターホールにて、『KnockOut ~競技クイズ日本一決定戦~』第3回大会の決勝トーナメント進出をかけた予選会が実施された。

『KnockOut ~競技クイズ日本一決定戦~』は、2016年8月に第1回が、2017年5月に第2回がCS・ファミリー劇場にて放送された特別番組。『SASUKE』や『ワールド・クイズ・クラシック』を手がけてきた乾雅人が総合演出を手がける本格派のクイズ王決定戦として制作され、昨年は第7回衛星放送協会オリジナル番組アワードでは大賞を受賞するなど、大きな注目を集めた(第1・2回の詳細は「QUIZ JAPAN」第7・8号で特集しているので、未見の方はそちらを参照されたし)。

6月24日(日)に新木場で開催される第3回の決勝大会の観戦チケットはすでにソールドアウト。期待は高まるが、まずは先立って行われた予選会で、いったいどんな戦いが繰り広げられたのか、その模様をお届けしたい。(なお近日「ファミリー劇場CLUB」にて予選会の動画が配信される予定)

今回の予選会の大きな特徴は、前回までと予選会の方式が変更になったことが挙げられる。前回までは150問3択ペーパークイズで予選参加者を30人に絞り、第2ラウンドの7○3×クイズを行っていたが、今回は第1ラウンドが全員参加の早押しクイズとなり、第2ラウンドで前回同様の150問3択ペーパークイズを行い、その合計点(早押しは1問正解10点換算)で最終ラウンドに進出できる12名を選抜。事実上、足切りが廃止された格好となった。また、日本一決定戦というハードルの高さから参加者数は116名にとどまったが、昨今のクイズのすそ野の広がりからか、この番組初挑戦という参加者が目立った。

【予選第1ラウンド・ダブルチャンス早押しクイズ】

予選第1ラウンドは、全参加者をランダムに10組に分けて行われる25問限定の早押しクイズ。ただし、最初に解答権を得た参加者が誤答した場合は、もう1人だけ解答権を得ることができるダブルチャンス方式が採用された(2×で失格だが、獲得得点はリセットされずに記録される)。

まず1組目は、為季正幸、廣海渉、宮川敬という過去に決勝大会まで進出している強豪がマッチアップすることとなった。それぞれ60点(6問正解)、40点(4問正解)と得点を延ばした為季・宮川に対し、前回大会準優勝の廣海は1×が響き、10点のみと明暗を分ける形となった。続く2組目では、前回チャンピオンの奥畑薫が序盤で2×をつけ、早々と解答権を失うという驚きの展開に。

最も得点を獲得したのは、第5組の大森孝宏。なんと25問中9問で正解(90点)というハイスコアを叩きだした。さらに第8組では『東大王』の水上颯が登場、序盤2問目で1×をつけるも、その後7問正解(70点)と、大森に次ぐ好成績をマークした。

【予選第2ラウンド・150問ペーパークイズ】

予選第2ラウンドは150問の三択クイズに挑戦するペーパークイズ。制限時間は25分(1問あたりわずか10秒)。このペーパークイズで111点で堂々の1位を獲得したのは田中健一。2位・106点の渡辺匠に大きく5点差をつける文句なしのトップであった。ちなみに全体平均点は73点と、前回の平均点72.9点とほぼほぼ同じ結果となった。

以上の2つの予選の合計点で、総合1位を獲得したのは大森孝宏。早押しでのアドバンテージもさることながら、ペーパークイズでも7位という高位置につけたことが功を奏した。この予選総合順位の上位12名が予選最終ラウンドへと駒を進めた。

ペーパー ペーパー順位 早押し 合計点
1位 大森 孝宏 98 7 90 188
2位 田中 健一 111 1 50 161
3位 水上 颯 90 26 70 160
4位 為季 正幸 97 9 60 157
5位 徳久 倫康 103 3 50 153
6位 舛舘 康隆 95 15 50 145
7位 河合 智史 93 16 50 143
8位 石川 貞雄 100 5 40 140
9位 遠藤 聡 88 32 50 138
10位 田中 佐喜雄 95 11 40 135
宮川 敬 95 13 40 135
12位 神野 芳治 93 17 40 133

【予選最終ラウンド・超難問ボードクイズ】
予選会最終予選は「超難問ボードクイズ」。1問正解1ポイントのボードクイズを行い、先に7ポイントを獲得した7名が決勝大会進出となる。

出場者
<前列>
大森 孝宏・田中 健一・水上 颯・為季 正幸・徳久 倫康・舛舘 康隆
<後列>
河合 智史・石川 貞雄・遠藤 聡・田中 佐喜雄・宮川 敬・神野 芳治

この「超難問ボードクイズ」は、そのあまりの難度の高さから『KnockOut』予選会の名物となっているクイズ形式。今回は12名中6名が初めてこの形式に挑むことになった。それでは、ここで出題されたクイズ問題を紹介しよう。

問題:「道路渋滞などを引き起こし、本来避難すべき人たちが逃げ遅れる原因になる」とされる、自然災害が発生した際に避難勧告を受けていない住民が自主的に避難することを、英語で何というでしょう?(全員不正解)

問題:メキシコでは「裏切者」の代名詞にもなっている、通訳としてエルナン・コルテスのアステカ征服に力を貸した原住民の女性は誰でしょう?(田中、水上、石川のみ正解)

問題:2003年の大リーグ、ナ・リーグの優勝決定シリーズにおいてシカゴ・カブスが58年ぶりのワールドシリーズ進出を逃すきっかけとなった、第6戦の8回表に、観客がファウルフライの捕球を妨害した事件を、その客の名前から何というでしょう?(石川のみ正解)

問題:1977年から80年にかけて放送されたTVアニメ『ルパン三世』の第2シリーズ全155話のうち、宮崎駿が脚本・演出を手がけた回が2つあります。1つは最終話の『さらば愛しきルパンよ』ですが、もう1つは巨大飛行艇が登場する、第145話の何でしょう?(舛舘のみ正解)

と、会場からも思わず笑いが起きるほどの容赦のない問題が立て続けに出題されていく(正解は「シャドウ・エバキュエーション」「マリンチェ」「スティーブ・バートマン事件」「死の翼アルバトロス」)。

こんな問題群の中、序盤からリードを広げたのは「難問クイズの伝道師」こと石川。そのキャッチフレーズ通り、難問をものともせず、18問目で勝ち抜けを果たした。さらに24問目で田中が、25問目で徳久、29問目で為季、34問目で神野が続く。

序盤快調だった水上は、中盤から波長が合わずに次々と追い抜かれていく苦しい展開に。それでも39問目、40問目で連続正解を決め、6人目に滑り込んだ。そして大森、河合、宮川の3名がリーチをかけた41問目。

問題:市松模様をモチーフとした、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムをデザインしたデザイナーは誰でしょう?

正解「野老朝雄(ところあさお)」を導き出したのは河合と宮川。なんと予選会初のサドンデスに突入することとなった。1問目、2問目は両者正解と譲らず、迎えたプレーオフ3問目。

問題:1975年に増田屋コーポレーションから発売されブームとなった、鼻の先に付けられた細い糸を引っ張ると生きているかのように動く、ヘビのような形をしたオレンジ色のおもちゃは何でしょう?

見事「モーラー」を正解したのは河合! これまでネット番組すら出場したことがない新顔が、長期戦を制し、最後の席をものにした。

過去最も厳しい戦いとなった予選を勝ち抜いた7名に、ディフェンディングチャンピオンである「ジャパン最強の皇帝」鈴木淳之介を加え、ここで恒例のトーナメントの組み合わせ抽選会を行われた。毎回、抽選箱からボールを選び、その番号順にブロックを指名するという形式だが、今回キャスティングボードを握ったのは4番目の徳久。徳久は同じサークルで手の内を知る神野がいるBブロックを指名した。そして6番目の石川はなんと為季のいるCブロックを選択、2年越しのリベンジマッチが実現することとなった。続いて7番目を引いた田中は、鈴木のDブロックを避け、河合のいるAブロックを選択。最後に残った水上は、残された鈴木のDブロックへ。まさか昨年、東大クイズ研(TQC)の先輩・鈴木の応援に新木場に駆けつけた水上が、1年後に対戦相手になるとは誰が予想し得たであろうか。

本戦第1ラウンドの対戦カードは以下の通り。

Aブロック:河合 智史 VS 田中 健一 (アップダウン・セブン)
Bブロック:神野 芳治 VS 徳久 倫康 (タッグ・オブ・ウォー)
Cブロック:為季 正幸 VS 石川 貞雄 (アップダウン・セブン)
Dブロック:水上 颯  VS 鈴木 淳之介(タッグ・オブ・ウォー)

決勝戦は6月24日(日)、新木場ファーストリング(東京都江東区)にて行われる。『SASUKE』で知られる乾雅人による舞台演出の元、日本トップクラスのクイズアスリート8人はどのような戦いを繰り広げるのか? そして第3代競技クイズ最強王者となるのは果たして誰なのか? 歴史に残る激闘を期待したい。

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